顧客から予測情報をもらうことは先々の仕事の段取りを考えていくためには大切なことです。ただ日々の確定情報だけで仕事をしているのであれば、それは考え直す必要がありそうです。
多くの物流センターの現場で話を伺うと、当日の午前に出荷情報をもらい、夕方までに出荷準備を行うというパターンが見えてきます。どちらかというと、そのオーダーに振り回されて仕事をしているという感があります。
しかし、顧客は単なる行き当たりばったりのオーダーをしているだけではありません。その月の販売計画や、場合によっては次月、次々月の予定も持っている可能性があるのです。
こういった情報は取りに行かないともらえない可能性があります。今までは待ちの姿勢でいたのであれば、今後は積極的に情報を取りに行く姿勢が必要です。
このような先の情報を内示情報と呼びます。内示であって確定ではありませんが、先を見越して仕事をするためには貴重な情報なのです。
物流業務の効率化のカギは「平準化」です。日によって波動が大きいと仕事の効率に支障が出ます。この波動はやむを得ないものという考え方が物流現場には多いようですが、その考え方は正しいとは言えません。
顧客の内示情報を極力入手し、仕事の前倒しなどによって平準化を図ることが必要なのです。仮に内示情報を入手できなくても「過去の実績」があります。このデータを基に将来を予測することも一つの方法です。
S&OPでは経営の意思決定を速く、正しく行っていくことも目的の一つです。この意思決定のためには「量の概念」を「金額の概念」に置き換えていかなければならないのです。
先に挙げた7つの情報で自社の売り上げがどのように変化するのか、収益へのインパクトはどうなるのか、それを狙っていた水準に保つためにはどうすべきなのかについて考えていかなければなりません。
まずは情報を取ること、次に量の変化を金額に換算して経営で論議をすること、そして対策を打っていくこと、このステップが物流でのS&OPだと言えるでしょう。
皆さんの会社でもぜひ取り組んでいっていただきたいと思います。
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