今や単純な輸送や倉庫保管といった物流業務よりも、荷主のサプライチェーンをいかに効率的に運営していくかということが物流に課されたテーマであると考えられます。
このようなサプライチェーンの効率的運営には荷主だけの努力ではだめで、物流会社と一体になった活動が求められるのです。
しかも物流会社は「モノを動かす」という活動においては能動的に働くことが必要になります。物流会社は常にサプライチェーンを流れるモノの実態を見ることができるため、そのコントロールにも積極的に関わるべきでしょう。
その一つが「在庫管理」です。在庫管理とは在庫の数を把握するということにとどまらず、将来的な売上が伸びることが想定されればその情報を荷主にフィーダバックすることで売りの機会損失を防ぐことも必要だと考えられます。つまり在庫を増やす方が望ましいと荷主に発信するのです。
輸送ルート変更も同様です。道路や港湾などの物流インフラに変更が生じそうであれば、ルートの変更や物流拠点の見直しなどもサプライチェーンの効率に影響しますので情報を荷主にフィードバックするとともに物流のやり方の変更を提案します。
つまり荷主から指示された通りの物流を物流会社が行うといったスタイルから、物流会社のアンテナに引っかかった情報によって常にサプライチェーンを効率化・高度化していくことが理想の形だと言えそうです。
こういった物流ができてこそ真の3PLだということになるのではないでしょうか。
荷主会社は物流を物流会社に任せきりにすることなく、自ら物流ノウハウを学び逆に物流会社に対してこういった物流に変えられないか、と提案していくべきでしょう。
このように荷主と物流会社とが強力なパートナーシップを結びサプライチェーンを高度化していく企業グループが競争力を持つと考えられます。
お互いの活動は事前にどのようなしくみで行っていくのかについて取り決めておくと効果的です。これにつきましては次回にお話させていただきます。
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