QCは皆さんお聞きになったことがあると思います。「Quality Control」の略で、品質向上のためのさまざまな活動のことです。このQCの前についているQRってなんでしょうか。これは「Quick
Response」の略で、すぐに対応をするという意味です。つまり、この「QRQC」とは、すぐに対応を打つための品質会議ということになります。
例えば、前工程からの部品数が少なかったということが当工程で発見されたとします。本来1容器に90個部品が入っているべきなのに、88個しか入っていなかった。そのため、ピッキング作業者はピッキング作業を中断して部品を取りに行くことで、作業ペースを乱してしまうのです。
このような現象に対し、「すぐに対策を打つ」必要があります。一般的なQRQC活動は毎朝始業時の15分間程度を使い、各工程の監督者が集まって前日の問題点について対策立案を行います。この事例ではピッキング工程の監督者が数量不足の問題提起を行います。参加者で対策案を立案し、前工程の監督者が工程に持ち帰り即日実施します。
なお、QRQCの決定事項は作業場の皆の目につきやすい場所に掲示します。それにより、作業者全員に対し注意を促すとともに、意識を向上させることにつながるからです。
「QRQC」のポイントは「Quick」です。週に一回のQC活動では遅すぎる案件をすばやく片付けていくことです。大変限られた時間ですので、その場で解決案が出ない場合でも、翌朝に同じ会議がありますので、そこまでの宿題にすることが可能です。問題の解決は先延ばしにしないしくみづくりが大切だと思います。