S&OPの狙いの一つに市場情報を的確に把握し、それを自社の生産等の計画に反映していくことがあります。市場の変化のスピードは速まってきています。経営のスピードもそれと同様に速めなければなりません。
物流業も例外ではありません。市場の動向、顧客の動向を常にウオッチしながら効率的な経営をしていくことが求められるのです。
前回お話しましたとおり、あるメーカーでは7種類の生産計画を持っています。これを自社だけではなく、協力会社にも情報提供することでサプライチェーン全体の効率を上げようとしているのです。
物流会社も積極的にこの情報を活用しなければなりません。また、もしこの中でもらえていない情報があれば、それは自ら取りに行くべきでしょう。
たとえば中期経営計画(3か年の生産計画)では今後の物流インフラの整備にあたっての貴重な情報として活用することが可能です。
いつトラックを増車しなければならないのか、倉庫スペースの拡張はいつまでにやっておくべきなのか、物流人材の育成タイミングはいつなのか、こういった検討アイテムの参考となるのが中期経営計画上の生産台数情報なのです。
会社によっては物流検討のために中期経営計画上の生産台数に基づいた「物流量」を算出しているところもあります。物流側にしてみれば物流量がわかるのがベストですから、こういった情報があるかどうかもしっかりと聞いておきましょう。
中期経営計画ではイベント情報も入手しましょう。たとえばいつ頃新工場が立ち上がるのか、どのような新製品がいつ頃立ち上がるのかなどの情報は物流に大きなインパクトを与えます。
単なる「量の情報」にとどまらず、「イベント情報」をできるだけ正確に聞き出すことが重要になってくるのです。
国産の資材ではなく輸入資材を多く使うようになるといった情報も重要です。もし輸入の扱いができないのであれば仕事が先細りする可能性があるからです。
以上のような情報はただ待っているだけでは入手できません。積極的に顧客のところに出かけて行って収集する必要があるのです。
次回に続きます。
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