輸送能力確保に向けての取り組み(2) 荷主としての取り組み

トラック輸送能力が不足してくるとまず運賃の上昇が始まります。多少コストがかかったとしても従来通り運べるのであればまだよいでしょう。

しかしコスト上昇だけにとどまらず能力不足で運べないとなったらこれは大きな問題になります。そこでこういった将来的なリスクを念頭に今後の物流について考えていかなければなりません。

荷主会社は特に真剣に考え、将来に備えておく必要がありそうです。

まずコスト上昇対策について考えてみましょう。単位当たりの物流コストが上昇しますので、一度で運べる量の確保が求められます。

そのために荷姿効率を従来以上に向上させなければなりません。またサプライチェーンのリードタイム短縮を崩す訳にはいきませんから、極力混載を行う方法で積載率を上げていく必要があります。

そして同時に物流会社とも常に良好な関係を保って行くことも忘れてはなりません。無理強いばかり迫る荷主は今後は弱い立場に置かれる可能性があるからです。

構内滞留時間や待ち時間を短縮する取り組みを積極的に行っていく必要があります。取引条件につきましてもフェアな内容に見直す必要があるかもしれません。

燃料サーチャージ制度を導入し、燃料費が上がればチャージを払い、下がれば値下げをするというフェアな取引を考える時期に来ています。

では輸送能力確保に向けての取り組みには何が考えられるでしょうか。これも先ほどのコストと同様で、トラック積載効率、「真の積載率」を向上することで、トラック台数を増やさない取り組みが挙げられます。

トラック輸送での積載効率を考慮した製品設計も必要になります。ちょっと形状を変更したり、アッセンブリの場所を輸送後に変更したりすることで大幅に荷姿効率が向上し、結果としてトラックの真の積載率が向上するのです。

ものづくりの場所も見直す必要があるかもしれません。たとえば従来は労働力確保を優先で生産場所を決めていたものを、より消費地に近いところでの生産に変更しなければならなくなるかもしれません。

次回に続きます。


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