購買部門ではサプライヤーにコストダウンを依頼し、単価を下げてもらうことを仕事にしています。その過程で購買部門にはもう一つの仕事があるのです。
もう一つの仕事とは「サプライヤー指導」です。一般的に購入側の方がサプライヤーよりも改善スキルなどが上回っている可能性があります。
そうなるとそのスキルをサプライヤーに伝授することで改善を進め、最終的に下がった分のコストまたはその一部を価格に還元してもらうことを狙っているのです。
この方式による改善は望ましい進め方ではないでしょうか。ただ単純に価格を下げろというだけではなかなか進みませんので。
サプライヤーは改善指導を受けて実改善を行う以外に得意先に対して要望を出すことがあります。購買はこの要望にも耳を傾けることになります。
この要望の中に物流がらみの案件も含まれています。その1つに「納入回数の削減」が挙げられます。サプライヤーがトラックで得意先に納入する便数を減らしたいという要望です。
これは単純にトラック台数を減らすことで対外支払いコストを下げるということです。そしてそれを認めてもらえれば部品単価を少し値下げてもよいという話をしてきます。
サプライヤーにとってみると物流コストが下がるというメリットがありますが、得意先にとってみると在庫が増えて置き場所が不足するというデメリットがあります。
この影響を一番受けるのが物流部門です。置場が足りなくなれば必死になって場所探しを行います。複数場所で部品管理が発生し、そのわずらわしさも出てくることでしょう。
このように購買部門と物流部門でフリクションが起こることがあります。ではそのどちらを優先すべきか。それは会社方針によると思います。
会社全体でコストを下げなければならない時期であれば、購買による購入費低減が優先されるでしょう。もしサプライチェーンのリードタイムを短縮し、顧客ニーズに応えるということでしたら上記のような要望は受けないかもしれません。
やはり会社方針はそれだけ重要だということです。単純に目先のお金だけを欲しいのか、あるいはもっと大きな視点で物事を見るかで変わってくるのです。
少なくとも物流部門は自分たちへの影響は数値化して社内に発信していく必要があると思います。しわを寄せられてそれで苦労するだけでは何も解決しないからです。
次回に続きます。
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