RFIに始まり、RFP、RFQを通して発注先を決めることを「ソーシング」と呼びます。候補会社選定から最終発注先の決定まで厳格なプロセスで実行していきます。
このプロセスで重要なことは公平公正に実施していくことです。すべて数値化することで勝ち負けが明確に分かるようにしておくことです。
最終的に発注先を決める際にはあらかじめ決めたルールで行うことです。仮に1点の差でもルール通りに実施することです。
これをルール以外の要素を入れてしまう会社があります。例を挙げながら説明していきましょう。
候補会社X社とY社が選定のためのスコアが100点満点でそれぞれ85点、80点でした。きちんとした選定ルールが定められている以上、X社を選定することは明らかです。
しかし選定に関わるスタッフの一人が将来性はY社の方が上なので5点差は誤差に過ぎずY社にすべきとの発言をしました。
これに対してその意見ももっともだと他のスタッフもなびき、最終的にY社を選定するという結果になりました。
このような事例が実際にあるのではないかと思います。このケースでの問題点は「ルールに無い判断基準」を後出ししてしまったということです。
これでは透明性に欠けるとともに公平公正の原則にも反してしまいます。購買は考えようによっては「危ない仕事」だとも言えるのです。なぜ危ないのか。
それは上記のような判定は表向きは「将来性」と言ってはいますが、実際にはその「裏」があるのではないかとも推測できてしまうのです。端的に言うとY社との癒着です。
この例では「将来性」についての判断基準が欠けていたこと自体が問題であると思われます。何を持って将来性があるのかについて明確な基準が必要だったということです。
ソーシングプロセスにあいまいな個人的考え方は入れるべきではありません。あくまでも事前に定めたルール、判断基準で決定すべきです。これはスポーツと似たところがあると思います。
特に欧米ではこのあたりについて厳格に行われています。日本もグローバル化が進展してきましたので、欧米に見習うところは見習って透明性のあるソーシングを心がけたいものです。
次回に続きます。
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