サプライヤーで特に不足していると思われるのが「管理技術」だと思います。たとえば現場管理はどうでしょうか。
サプライヤーが最低限行わなければならないことはQCDを守ってものをつくって納入することです。多くのサプライヤーはこれだけで手いっぱいなのです。
皆さんの会社の管理技術レベルとサプライヤーの管理技術では差があるということを頭の中に入れておく必要があります。
現場管理の基本である「標準作業の設定」であったとしてもサプライヤーでそれができているとは限らないのです。
作業者によって仕事の仕方やスピードにばらつきがあるということを念頭に置いてサプライヤーと話をするべきでしょう。
もし標準が決まってなかったものをきっちりと決めればQCDのレベルが向上することは確実なのです。これをしっかりとサプライヤーに説明するとともに「標準作業の設定」の仕方を教えてあげることです。
生産工程改善の取り組み方もサプライヤーの現場に出向いて実際に教えてあげましょう。すると生産現場の形が変わります。仕事の仕方が変わります。新たな管理帳票が作成されます。
このように具体的に形が変わればサプライヤーとしてもしみじみと来るところがあるでしょう。そうなるとしめたものです。改善が加速するからです。
特に「管理技術」については実際に使用する管理帳票を提供してあげるとともに特定の工程で作成してあげるくらいの度量が欲しいものです。
本来であればお金を払ってコンサルタントに依頼して改善していくべきところを、皆さんが協力してあげることでサプライヤーは実現できるのです。
サプライヤーにとって決して悪い話ではないはずです。一点気にしなければならないことは改善を持ちかけた時のサプライヤー側の受け皿です。
小さな会社になればなるほど一人の担当者が多くの仕事を担当しています。皆さんの会社から現場管理、品質管理、生産改善の3つを持ちかけても同時には対応できないかもしれません。
ここは受け側の事情を十分に考慮してあげましょう。気長にサプライヤー改善支援をしていくことが望ましいといえるのです。
次回に続きます。
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