誰でもできる作業環境を整える(2) 製品コードの導入と間口の色分け

物流で製品識別のキーになるものは何でしょうか。それは製品コードだと思います。一方でさまざまなメーカーの食品や日用品などを扱っている場合、製品コードが無いケースを多く見かけます。

本来であれば業界として製品コードを統一し、それを製品包装に明記することが望ましいのですが、必ずしもそのような状態にはなっていません。

その場合、その製品の入出庫を行う物流倉庫は苦労します。作業者は何を見て正しい製品かどうかを判断しているのでしょうか。

多くの場合、その製品の固有名詞で判断しているのです。漢字とひらがな、カタカナ、場合によってはアルファベットの混在した名前を見て判断します。

これでは作業者に対する負荷も高まりますし、間違いの原因ともなります。ですから物流倉庫で製品番号を整備し、それをバーコードとセットにして製品に貼付できるように考えてみることもありだと思います。

図書館に行くと必ず分野別に固有コードがあり、それが本にラベリングされています。このイメージで、製品に固有コードを付けて行くことで判断が楽になるはずです。

固有コードも複数桁数になります。多い場合は12桁、13桁になることでしょう。その時に今度はすべての桁を読まないと判断できないとまた負荷がかかります。

例えば最後の一桁を見れば他の製品と識別ができるのであれば、その一桁だけ、文字を大きくするとか、文字の色を変えるとかする工夫も必要です。

このような工夫を凝らすことで、誰でもできる作業環境が整備されます。新人は製品の識別のために箱の特徴や印字の色などを覚えることは大変です。

容易化を通してすぐに作業ができる環境整備をすることが会社利益にもつながります。ぜひ固有コードの導入を進めてみましょう。

次に倉庫内の色分けについてです。人間はモノを識別する際に「色」に反応することが多いと思います。ですからこの事実を使った環境整備も一つのやり方です。

たとえば棚の間口の色を変えてみるということはいかがでしょうか。ピッキング指示リストは原則として所番地で指示します。

この中に色の要素を入れてみるのです。少なくとも棚の何段目を示す数字は「色」で置き換えることができます。

例えば上から1段目は「緑」、2段目は「黄色」、3段目は「赤」などです。色の工夫として、製品の色に合わせた間口の色にすることも一つの方法です。

意外と色の違いはインパクトがありますので、それを倉庫に活用することは効果が大きいと思われます。

次回に続きます


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