製造業は一般的に標準化が進んでいます。なぜならそれを怠れば製品品質に影響を与えてしまうからです。標準化で手を抜くわけにはいかないのです。
この状況は物流業でも原則として同様なのですが、物流の場合には仕事がそれほど複雑ではなく、未習熟作業者でも一定のレベルまでできてしまう傾向があります。
しかし得意先が厳しい荷主であれば、物流業でもきちんとした標準作業を確立して仕事をしています。このような例は別としても、やはり標準化は実施したいものです。
どのような手順で作業を実施するのか、物流品質を左右する急所はどこなのか、その作業をどれくらいの時間でこなしたらよいのかは定めておく必要があります。
この標準化についても製造業に学ぶところは大です。標準作業に定められていないことは原則として実施することが許されません。
物流業では入ってきたばかりのパートさんに、簡単な説明をしただけで、あとはお任せ、となっているケースが多々あります。
これでは均一の物流品質をアウトプットすることはできないでしょう。
製造業では固有技術以外に管理技術というものを保有しています。この管理技術、たとえば現場管理を例にとるとわかりやすいかもしれません。
今月の品質不良の目標を掲げ、それを管理グラフ化して現場に掲示しています。現場作業者は常に掲示されている管理ボードの前を通りますから、今の職場の品質状況が頭にインプットされるのです。
この活動の手法を管理技術と呼びます。これはSQDCMすべての領域に当てはめることができます。管理グラフ化することで、一目で今の状態が正常なのか異常なのかがわかるのです。
このような管理技術に基づく活動といったしくみを物流業は導入していきたいものです。
5Sについても製造業に学ぶところが大きいと思います。物流は本来5Sがきちんとできている上に成り立っていると考えるべきです。
しかし、物の置き場もあいまい、表示類もつけられていない、保管製品はほこりだらけ、といった状況に陥っていませんでしょうか。
製造業の工場を訪問し、ものの置き方や床の線の引き方、表示のつけ方などをぜひ学んできましょう。それをまねするだけでも会社は大いに改善することでしょう。
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