最低限月々結果系の指標で自分たちのパフォーマンスは把握しなければなりません。たとえば物流業務での売上高と利益です。
よく聞く話として得意先に物流サービスを提供しているものの、その得意先向けの業務がどれくらい儲かっているのかわかっていない、ということが挙げられます。
同じような商品を複数の得意先に届けていることを想定して考えてみましょう。得意先X社には毎週1回ケース単位で届けます。一方で得意先Y社には同じ商品を毎日ピース単位で届けるとしましょう。
当然のことながら後者の方が物流サービス水準は高いと言えます。しかしサービス水準が高いということは原則としてコストも多くかかります。
この例でよくあるパターンがX社、Y社向けともに「同じ価格」設定となっていることです。これは非常に不思議な現象ですが本当によくある話です。
もしかしたら営業マンが仕事を取りたいがために格好をつけただけなのかもしれません。あるいは正しい価格設定のノウハウが無かったのかもしれません。
しかしこのようなことをやっていたら会社が儲かるはずがありません。営業は単に仕事を取ってくるというより、「儲かる仕事」を取ってくることが仕事であることを肝に銘じなければなりませんね。
では次にコスト系に目を向けてみましょう。倉庫内での作業のやり方で物流コストは大きく違ってきます。
これもよく見かける光景です。それはピッキング工程で発生するさまざまなムダです。その一つが「通路幅」です。
流通業での物流でよく耳にする不思議な理論。それはピッキング場の通路幅は「台車が2台すれ違える」幅だということ。
幅が1m以上ある台車もありますが、その場合の通路幅は2.5m位にもなります。これはピッキング作業者に「大きく動いてください」と言っているようなものです。
製造業ではピッキング場はいかにコンパクトに作るかを必死に考えています。通路幅は60cmから90cmくらいが一般的です。
その思想は「両手を伸ばせば製品を取れる」です。歩行はムダですから、それを最低限に収めようといろいろと工夫を凝らすわけです。
この業界による差も「他業界を見ない」から気づいていないだけなのです。流通業でも製造業の現場を一度見てみよう、と考えれば物流現場の作り方が全く変わり、作業生産性も大幅に向上することでしょう。
次回に続きます。
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