荷姿は物流の機能の中でも最も重要なものです。しかし物流業界では輸送という「運ぶ作業」に目が行きがちで、輸送コストの要因となる荷姿の注目度はあまり高くありません。
でも実際に輸送コストを改善したいのであれば荷姿改善が欠かせません。もっと注目していくべきなのです。
荷姿を良くすることですべての物流が改善される点に着目し、少し荷姿設定における原則について触れておこうと思います。
まず荷姿に複数の部品を入れることについて考えてみましょう。一般的に量産部品の場合、一つの箱にいくつもの部品を入れて荷姿をつくります。
ではこの時の入り数はどのようにして決めたらよいのでしょうか。この入り数の決定権はその荷姿を受け取る側にあると考えましょう。
なぜならその部品を使う側は「いくつ欲しいか」がわかっているからです。当たり前の話ですが、不必要なモノを受け取ることはありません。
ジャスト・イン・タイム(JIT)でモノを調達しますので、不必要なモノを買うことはありません。ではJIT調達における荷姿はどのように決めていったらよいでしょうか。
それは調達側がどのような使い方をするかで決まります。JIT調達はJIT生産が行われるから存在するわけです。
そのJIT生産に合わせて荷姿を設定します。もし1日に1回生産するのであれば、箱の入り数は1日分でよいことになります。
では1日2回生産するのであればどうなるでしょうか。はい、この時は1日の生産量の半分を入り数にします。要するに1日分は2箱ということになります。
以下同様に、4回生産であれば1日の生産量の4分の1が入り数、8回生産であれば8分の1が入り数ということになります。
まずこのように入り数を決めることが荷姿設定の原則になります。そして入り数が決まった後に実施するのが箱の選定です。
ここを勘違いする人が多いのですが、箱を先に決めるのではありません。あくまでも入り数を最初に決めるのです。
なぜなら荷姿はその中身を使う人が決めるからです。繰り返しになりますが、使う人は不要なモノは買いません。
いくら大きな箱にたくさん入るからと言って、要らないものまで届けられても困るからです。
次回に続きます。
■『3つの役割を果たす!構内物流改善の進め方』
株式会社グロースベースとKein物流改善研究所との協働制作講座が完成しました!
物流のE-learningは珍しいかもしれません。一部無料で見られますので皆さんもアクセスしてみて下さいね。
https://www.kaizen-base.com/contents/logi-42826/
■大阪でトラック輸送改善のセミナーを実施します!
「トラック輸送の効率化 ~輸送の見直し&コスト削減~
物流コストの60%を占める輸送費にメスを入れよ」
開催日:2017年7月24日(月)
時 間:10:00~17:00
会 場:大阪府工業協会 研修室
詳細は以下からご覧ください!
https://www.opmia.or.jp/seminar_entry?post_id=2758
■日刊工業新聞社 工場管理 7月号 好評連載中!
「工場全体を効率化できる 物流のトリセツ
『第10回 ジャスト・イン・タイム調達の実行(中)』」
http://pub.nikkan.co.jp/magazine_series/detail/0007
■日刊工業新聞社 プレス技術 8月号 好評連載中!
「暗黒大陸の物流改善大作戦 ~プレス工場を大変身させる秘密の裏ワザ~
『第23回 海外物流管理のポイント(中)』」
http://pub.nikkan.co.jp/magazine_series/detail/0003
物流改革で「収益力向上!」「品質力向上!」「人財力向上!」 Kein物流改善研究所
http://www.keinlogi.jp/