日本では管理者も監督者も現場を応援すべきだ、皆で現場作業を行うことが現場のモチベーション向上につながり、それが会社の発展にもつながる、昔からこのような言われ方をしてきました。
このような考え方は欧米では考えられません。なぜなら職種が現業と事務スタッフでは異なるからです。まして管理者が一作業者として働くことなどあり得ないのです。
最近少なくはなってきましたが、日本ではまだスタッフや管理監督者の現場入りが行われています。これによって「本業」を行う時間が失われます。
管理監督者が行うべき業務が滞ります。結果的に会社は現場の実態が数字で見えなくなり、感覚的な運営に走らざるを得なくなります。
皆さんは日本の労働生産性の国際水準をご存知でしょうか。日本生産性本部の調査「就業者 1 人当たり労働生産性の国際比較」によると、2017年の日本のポジションはOECD35か国中21位です。
先進7か国では常時最下位です。強いといわれ続けてきた製造業ですら14位なのです。製造業はかつては1位、2位を争う時期もありましたが、今や見る影もありません。
この要因の一つが働く人一人ひとりが与えられた仕事を100%やりきっていないことが考えられます。管理監督者が一つの例です。
管理監督の職位にいる方が現場入りすれば、管理業務ができなくなるだけでなく、現場の一人当たりの労働生産性を落としてしまう可能性があります。
なぜなら現場作業員が本来できる力を発揮しなくても、管理監督者が「工数」になってくれるために目標出来高が出てしまうからなのです。
では管理監督者が現場入りする真の要因はなんでしょうか。これは表面上は自分の管理能力不足で突発事象に現場が対応できないためだと想定できます。
しかし本音は管理監督者の「逃げ」だと思います。本来なら現場作業者に「やらせなければならない」のです。でも、それができない。
現場入りすることは管理業務を放棄し、簡単な仕事に逃げていることに他なりません。もし管理監督者からもし自分が入らなかったら出荷が止まると脅されたとしましょう。
会社の経営者はこのような「言い訳」を言わせないように、まず言い分を聞いてみて下さい。たとえば工数が1人足りないという言い分に対しては一時的に1人補充し、管理監督者の「言い訳」の道をふさぎましょう。
もしこれで正常に戻らなかったとしたら・・・・。もうお分かりですね。経営者の方は管理監督者の育成が不足していたのか、人選ミスだったのかということになります。
次回に続きます。
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