よく耳にすることですが、製造業の経営者や管理者は生産活動には興味を持つものの、物流には無関心であるとよく言われます。
物流について学生時代にきっちりと勉強したことがある人は皆無かもしれません。一方でものづくりに関してはさまざまな技術が工学として学ぶ機会が与えられています。
技能検定の分野でも加工技術やプレス技術などの資格はしっかりと確立されていますが、物流に関する技能検定は存在しません。
この現象は製造業だからということではなく、日本全体の構造的な問題であると言えそうです。欧米では技術として認められているロジスティクスですが、日本では物流学科は数えるほどしか存在しないのです。
このような物流を取り巻く環境や、その生い立ちで物流が進化する過程をたどるには道が険しいと思わざるを得ないのです。
ただし、環境や生い立ちのせいにしているだけでは何も進みません。もし今、会社の中で物流の地位が低いのであれば、自分たちに起因する要因を探ってみる必要がありそうです。
たとえば生産工程には標準作業書が整備されているものの、物流工程にはそれが無い。生産工程には標準時間が設定されていても、物流工程では設定されていない。
このような状況があったとしましょう。たしかにこのような状況が多くの会社で存在しています。これは何を示しているのでしょうか。
それはずばり「物流の努力不足」に他なりません。なぜ生産でできていることが物流でできないのでしょうか。
物流は仕事の波動が大きいから標準化はできないとか、定型的な作業が少ないので標準時間設定には向かない、といったもっともらしい言い訳をする物流管理者がいます。
もしそのような考え方であれば、いつまでたっても物流の地位が向上しないことは目に見えています。なぜなら自ら努力をしようという意思がないからです。
まずは必要であるといわれる項目について、生産と同じことをしない限りスタートラインには立てないと考えるべきです。
もしその意思が無いのであれば、いつまでたっても生産の下請作業の域を脱することはできないでしょう。
生産工程が長年かけて築き上げてきたことと同じことを物流でも実行する必要があります。誰がやるのでしょうか。それは物流に携わる人が自ら行うしかないのです。
努力不足の物流からの脱却が第一歩なのです。
次回に続きます。
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