物流KPIについて考える(2) トラック積載率

物流重要機能の中に輸送と保管があります。まずはこの2つの機能についてパフォーマンスを明確化できるKPIを考えてみましょう。

輸送では現に実車率という指標があります。これはトラックが実稼働している有効時間を見るための指標です。稼働時間に対する荷を積んで走っている時間の比率ということになります。

これはこれで必要ですが、実際にはトラック能力を有効に活用できていることを示せる指標が必要になります。

言葉はお聞きになったことがあるかもしれませんが、その指標のことを積載率と呼びます。トラックの積載可能能力に対してどこまでそれを使っているかを示します。

貨物には重量物と容積物があります。重量物とは大きさの割に重いもので鉄の塊などが典型です。容積物とは大きさの割に軽いものを指します。布団やポテトチップスなどが挙げられます。

重量物であれば10トントラックに7トン積めば積載率70%というように単純に示すことができます。

一方容積物は少々手間がかかります。考え方はトラックの荷台容積に対してどれくらいの容積の荷物を積んだか、ということになります。

少々手間がかかるといったのは、貨物ごとの容積が明確でないとわからないからです。荷主は自社で出荷する荷物について「タテ・ヨコ・タカサ」のデータを保持する必要があります。

これを物流データとして調査し、積載のたびに積載率計算に使うのです。いろいろな荷物を出荷するのでしょうから、すべての荷物のタテ・ヨコ・タカサを乗じて求められる容積を足し算する必要があるのです。

物流KPIを使った管理ができていないのは物流事業者だけではありません。荷主企業の物流担当部署でも同様です。

自社の出荷荷物の容積を原単位として持っていない会社は多々あります。これでは物流管理はできません。もしかしたら荷物の重量データも保有していないかもしれません。

これは危険なことです。何故なら勘で積載したとしても重量オーバーになる可能性があるからです。積載オーバーは違法となりますので、荷物の重量管理はきちんと行う必要があるのです。

次回に続きます。


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