物流は労働集約型産業ですから人の生産性はとても重要です。各作業者が目標通りのスピードで作業できれば言うことなしですが、実際にはそうはなっていないようです。
そこで物流現場で診断する際には「作業速度の基準の有無」を確認します。つまりその仕事を実施する際の標準時間が定められているかどうかをチェックするのです。
また仕事の納期も細かく定められているかどうかもポイントです。物流倉庫でよくあるパターンが「本日の夕方まで」という指示です。
仕事の多少にかかわらず毎日「本日の夕方まで」に終わればよいという指示を見かけます。これだと作業者は夕方までに照準を合わせ、作業速度を調整します。
ある時は3時間で、またある時は6時間でその仕事をこなします。仕事量が同じであっても、です。これは管理がなされていない典型でしょう。
人は確実に多めに投入され、生産性が低いまま作業を行っているのです。
工場でよくあるケースですが、生産工程作業者の作業速度と物流作業者の作業速度が大幅に異なることがあります。
標準的な速度で仕事をするようになるだけで、生産性が30%以上改善することがあります。ですから物流作業者の作業速度については重視してチェックするとよいと思います。
それ以外に診断時に見るべき項目は「ムダ」がどれくらいあるかではないでしょうか。モノを探す、長距離歩行がある、モノの仮置きが多発するなどといった、多くのムダが物流現場には存在します。
では診断時にどのようにしてムダを見つけたらよいでしょうか。一番簡単な方法はその作業における「付加価値作業」を定義することだと思います。
それ以外がすべてムダだということになります。たとえば入庫作業であれば、モノを指定ロケーションに「置く」ということが付加価値作業です。
これ以外にどのような動作を行っているかを見るのです。「オーダーシートとロケーション番号を何度も確認する」という動作が目に付くかもしれません。
これはロケーション番号が小さくて見にくいのか、照度が不十分で見づらいのか、紛らわしい数字やアルファベットがあるからか、何かしらの要因があるはずです。
入庫作業以外のすべての作業でも同様です。まず付加価値作業を定義し、それに当てはまらないムダをあぶり出す。この手順でムダを見つけましょう。
そしてできればワークサンプリングで定量化します。診断結果には数値で示されることがベストだからです。
いかがでしょうか。物流現場診断の勘所がご理解いただけたのではないでしょうか。ぜひ皆さんも物流現場を診断し、改善に寄与していきましょう。
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