自動倉庫という物流にとって便利な設備があります。この自動倉庫ですが高層ラック方式になっており、多数の間口が確保できるため多品種の製品を抱える業種にはありがたい存在です。
自動倉庫というその名の通り、コンピュータ制御されているため必要情報を入力すれば製品を容易に取り出すことができます。人手による棚入れ作業や出庫作業を効率化することができるのです。
この魅力はコンピュータ内に在庫情報が登録できるため、何がいくつあるかがすぐわかるのです。棚の置かれた保管エリア内を人が探し回るようなことも無用になります。
しかし使い方を間違えるとこの自動倉庫も威力を発揮できないことになります。例えば流動量の多い製品は自動ラック保管には不向きです。
なぜなら自動倉庫は出庫指示から実際の出庫まで一定の時間がかかるからです。つまり流動量の多い製品は平置きし、そこからどんどん引き出していった方が効率が良いのです。
この自動倉庫も万能ではありません。それが入庫・出庫時にかかる時間です。フォークリフト作業は一荷役を20秒程度で実施できますが、自動倉庫側がこの速度より遅い処理スピードであるとフォークリフト側に「手待ち」が発生してしまいます。
この状況は手作業による投入でも同様です。つまり一定量をまとめて置いておけるコンベアがなければ非効率だということになってしまうのです。
また昨今のサプライチェーン効率化のためのリードタイム短縮では在庫を削減することが命題になっています。そうなると一定量の在庫を保管することを目的とした自動倉庫の場合、時代のニーズに合わないということにもなりかねません。
自動倉庫は投資金額も張りますので、その導入の目的と効果をしっかりと把握することが求められます。現にせっかく投資した自動倉庫を止めてしまっている物流現場がいくつも存在するのです。
さらに投資コストに限らず、日々の保守にもお金がかかります。この保守料は自動倉庫会社にとっては儲け代になりますが、ユーザーにとっては出費となるのです。
自動倉庫の導入を検討する際にはライフでどれくらい儲かるのかを見ていかなければなりません。
もし導入を考えるのであれば前後工程との連携を考慮に入れると良いかもしれません。たとえば前工程も自動化してロボット投入とする、後工程へ自動搬送するなどといった一連の流れの中で設置することです。それによって大きな効果を上げることも可能なのです。
次回に続きます。
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