物流を効率化する場合に必ずと言っていいほど話題に上るのが「自動化」です。物流業務で言えば自動運搬車や自動倉庫、自動コンベア、自動ソーターなどがすぐに思いつくのではないでしょうか。
もし物流センター全体が自動化されていれば大幅な省人化につながる可能性があります。皆さんがよくテレビなどで目にする自動化された集配センターがその典型です。
このように自動化されたセンターの作業を人手で行うとしたらどれだけの人が必要なのか、またどれくらいの作業ミスが発生するのかと考えてしまいますが、その金額たるや膨大なものになることは間違いありません。
一方でこのような集配センターでも相当の金額投資を行っていますので、その回収には一定の年月を要することも事実でしょう。
物流に携わる人はこのような「先端物流センター」と言われるところに見学に行く機会があると思います。見学先で見たことが頭に残り自社でも同じようなことをやれば儲かるのでは、という考えに至ることは無理からぬことだと思います。
しかしこの物流自動化はじっくりと判断してから実行しないと思わぬしっぺ返しが待っています。中途半端な自動化は儲かるどころか逆に足を引っ張りかねない危険な要素をはらんでいるのです。
先に挙げた先端物流センターではものの入りから出までの間をトータルで自動化し、人の関わる部分を極力排除しています。
一方で部分的に自動化すると「中途半端な自動化」につながる可能性があります。筆者が実際に見た中途半端な自動化の例として以下のようなものがありました。
・ 10メートル程度の間を自動運搬車で運搬することにしたが、自動運搬車には人がフォークリフトで積み降ろしが必要。フォークリフトでそのまま運搬してしまった方が効率的なケース。
・ 人手で持つことのできるボックスを自動搬送装置で搬送することにしたが、両端末で人手が介在。人が手押し台車で運搬してしまった方が効率的なケース。
この背景には投資を検討していた当初はすべての工程を自動化しようとしていたものの、投資金額が削られて中途半端にせざるを得なかったことが考えられます。
それでも自動化にこだわった結果が上記のような「あってはならない状況」を作り出してしまったのです。
次回に続きます。
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