もし管理者が現場作業の応援に入ることが散見される場合は注意が必要です。現場に入る管理者は、人が少ないので自分が入らざるを得ないと説明します。
しかし、これはほとんど言い訳にすぎません。もちろん、人を最小限に絞り、その中の誰かが休んでしまった時には応援が必要なケースもあります。
現場に入りがちな管理者はそれが管理者として当たり前の仕事、かつ褒められてしかるべき行為だと考えている節があります。
もしこのような管理者がいたとしたら、経営者は厳重注意をしなければならないでしょう。なぜなら、彼(もしくは彼女)は自らの仕事を放棄してしまっているからです。
現場作業は管理者の仕事ではありません。管理者の仕事は前回紹介したような、実務とは全く異なる業務だからです。
管理者が現場に入りたがるのは忙しくて回らないからではなく、単に作業をしていると楽だからです。現場に逃げ込む管理者は本当の管理者ではありません。
本当の管理者であれば、その状況を踏まえ、いかに少ない人員でも仕事が回るように考えることです。自ら動いてしまっては、その改善をする人がいなくなってしまうのです。
もし現場に入るような管理者がいれば、管理職としての給与ではなく、作業者の給与に下げる必要があります。少なくとも現場入りした時間の分だけは。
まず、以上のように、現場で不具合が出た時の運営方法について改善させることを管理者の仕事としてやらせましょう。とにかく考えさせ、工夫させるのです。
次に管理者には自部門の「数値管理」をやらせましょう。どれくらいの資源を投入し、どれだけのアウトプットを出したのか、毎日記録させるのです。
その差が粗利益ということになります。その数値を把握していなければ、その現場で利益を出しているかどうかがわかりません。
ひどい現場だと赤字を恒常的に垂れ流している可能性があるのです。このような現場は会社に不利益をもたらしますので、無くすという選択肢も出てくることでしょう。
経営者は部門別利益を定め、それを達成するように管理者に指示します。管理者は毎日定められた利益を出せるように、日々コントロールしていきます。
これこそが自部門の経営ということになるのです。管理者の収益管理というタスクなのです。
次回に続きます。
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