物流を取り巻く環境は明らかに変わりつつあります。物流に限ったことではありませんが、高齢化に伴う労働力不足は深刻です。
人々のライフスタイルの変化も物流に大きなインパクトを与えています。一昔前の人でしたら必ず店に行って自分の目で確かめて購入していたものが、今や通信販売が主流になりつつあります。
店で購入した時のあの大きな袋を持ち返る必要はなくなりました。その反動で物流の仕事が増えました。宅配といった小口配送が大幅に増えたのです。
一方で企業間では物流量が減っている分野もあります。特に製造業では国内販売が減ってきていますので、それに伴い物量は減少しています。
企業間物量が減っても輸配送の頻度は増えています。多品種少量輸送が増えている影響です。これは何を招いているでしょうか。それはトラック積載率の低下なのです。
このようにじわじわと物流を取り巻く環境が変化してきているわけです。このまま放置していると最悪モノが運べない、つまりサプライチェーンの寸断が起きかねない状況になっているのです。
今まで物流に無関心だった経営層も物流に目を向けざるを得なくなった、と考えるべきでしょう。なぜなら実際に自社の問題として顕在化する可能性が出てきたのですから。
まず人材不足の点について考えてみましょう。少子化時代ですから労働力はどんどんと不足していきます。人気業種であれば採用できるかもしれませんが、物流はどちらかというと不人気業種です。
労働時間が長いにもかかわらず業種平均に比較して給与が低いのが物流業です。物流の現業に対する労働分配率を見直す必要があるのではないでしょうか。
個々の企業で努力することは当然ですが、物流業界として人を引き付けられる「しかけ」は必要です。子供たちに夢を与えられる何かが無ければ今の状況を打破することは困難ですから。
長い目で見ると労働環境にも改善の余地があると思われます。昔から言われている3K(キツイ、キタナイ、キケン)は企業の努力で改善できる部分はあります。
その会社で働く個々の社員が労働環境改善のためのネタ出しをしていくことが求められます。
次回に続きます。
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