多くの物流現場で仕事を作業者任せにしている実態があります。その作業者が入社してきたときには少しだけ指導をするものの、慣れてくれば後は作業者任せにしてしまっているのです。
先輩社員の仕事を見て自分で覚えるようにしろ、といった放任的なやり方では上手くいくはずがありません。このような態度は監督者としての仕事を放棄していることと同様です。当然のことながら、監督者手当は返上してもらわなければなりません。
作業者に注意するときも標準作業に対してどこがどうちがっているから、という説明が必要です。逆の見方をすると、標準作業が無いのなら作業者を注意することはできないということです。
作業は手順は当たり前として、作業のスピードについてもきちんと決めて守らせなければなりません。一回当たりの作業が3分と決めたならそれを守らせることが必要になるのです。
物流現場では特にこの作業スピードの決め事が曖昧です。いつまでに何をいくつ処理しなければならないというルールが無いのです。
よくあるパターンは本日中にこの仕事を終わらせる、といったラフな決め事です。もしこういったルールだったとすると作業者はどのような仕事の仕方をするでしょうか。
そういった場合、一日の中でその仕事を終わらせるように自らペースを作って仕事をします。一見もっともなように聞こえますがそうではありません。
極端な言い方をすれば、2時間でできる仕事を8時間かけて終わらせようとするのです。一方で同じ分量の仕事を忙しい時期には2時間で終わらせます。忙しくない時期は8時間かけてしまうのです。
こういった事象が起きるのは、監督者がきっちりとした労務管理ができていないからです。作業者は仕事が無いのは恥ずかしいと感じるからあえてゆっくりと作業をするのです。
このように作業の標準が定まらない弊害は物流コストの増加につながります。労務費の増加です。本来なら半分の人員で済むところを実際には倍の人員を投入してしまっているのです。
次回に続きます。
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