生産工程では当たり前に導入されている標準時間ですが、物流工程ではほとんどの会社で標準時間は導入されていません。
しかし生産作業でも物流作業でも考え方は同じであり、一つひとつの作業ごとに実施すべき時間値というものは決まっていなければなりません。
ではなぜ物流工程では標準時間が導入されていないのでしょうか。
いくつか理由がありますが、その一つが標準時間を導入するノウハウが無いということでしょう。メーカーは生産工程は生産技術部門がしっかりと面倒を見る体制が整っています。
しかし物流工程についてなぜか生産技術は自分たちのテリトリーと認識しません。結果的にどこも面倒を見てくれることもなく、宙ぶらりん状態になってしまっているのが物流なのです。
他部門で面倒を見てくれないのであれば、自分たちで実施するしかありません。外部講習を受けるか、メーカーであれば生産工程の標準時間を設定した人に習うかして、標準時間を設定できるようにします。
物流標準時間が設定されない別の理由として、用途が不明確だということが挙げられます。一般的に標準時間は適正な要員算出や労働生産性把握に使います。
しかし物流工程では要員は勘で算出され、たいていの場合常時過剰の状態にあります。また労働生産性の把握などは行っていません。
つまり現状の多くの場合において、標準時間が無くても問題が発生していないのです。でもこの状態がよいわけではないことに気づく必要があります。
生産工程がやっていることと同様のことを物流工程で行うとしたら、物流標準時間は必ず必要だということになります。
ではこの標準時間を導入するにあたって、成功のポイントは何になるのでしょうか。
その1つは「難しくしすぎない」、「細かくしすぎない」ということでしょう。物流標準時間は難しいものだとか、できるだけ精緻に設定すべきだと考えると失敗しやすいと思います。
なぜなら物流標準時間は未来永劫に使っていくべきもので、そのメンテナンスが常に必要となるからです。
あまりに細かくしすぎると、このメンテナンス工数が膨大となり、途中で投げ出すような形になりかねないのです。
次回に続きます。
■東京で構内物流のセミナーを実施します!
「構内物流改善の進め方」
2018年6月18日(月)9:30-17:30
リブ・コンサルティング本社 セミナー会場
詳細は以下からお願いいたします。
waku-con.com/seminar/【オープン研修】構内物流改善の進め方/
■東京で物流IEセミナーを実施します!
「物流IEで現場改善 ~体感型IEセミナーで、すぐに実践できます~」
2018年7月19日(木)10:00~17:00
イー・ロジット東京セミナールーム
詳細は以下からお願いいたします。
http://www.e-logit.com/seminar/20180719m.php
■東京で輸送改善のセミナーを実施します!
「輸送改善の進め方」
2018年7月30日(月)9:30~17:30
リブ・コンサルティング本社 セミナー会場
詳細は以下からお願いいたします。
https://www.waku-opkensyu.com/transportation
■『3つの役割を果たす!構内物流改善の進め方』
カイゼンベース株式会社とKein物流改善研究所との協働制作講座が完成しました!
物流のE-learningは珍しいかもしれません。一部無料で見られますので皆さんもアクセスしてみて下さいね。
https://www.kaizen-base.com/contents/logi-42826/
■日刊工業新聞社 工場管理 6月号 好評連載中!
「工場物流進化論〜物流変革時代を乗り切るヒント
第2回 輸送会社が直面する課題」
http://pub.nikkan.co.jp/magazine_series/detail/0007
物流改革で「収益力向上!」「品質力向上!」「人財力向上!」 Kein物流改善研究所
http://www.keinlogi.jp/