物流作業を標準化することは真っ先に実施したいことです。標準化について手を抜くことによって会社に発生するデメリットは数え切れません。
もしかしたらそのデメリットにすら気づいていない会社もあるかと思います。その一つが労働生産性です。
ある会社はある物流作業を1分でやっているとします。何の疑問を持つこともなく。しかし同じ作業を他社では30秒でこなしているかもしれません。
ということは自社は他社に負けていることになるわけですが、それに気づいていないことになります。
この現象は社内でも発生している可能性があります。ある人は1分でやっている作業を、別の人がやると30秒で済むことがあります。
この差をベテランだから、新人だから、あるいはアルバイトだからという訳の分からない言葉で片づけていませんでしょうか。
たしかに経験年数の差が処理時間の差になることもあります。しかしその差を分析してみると作業手順の差が大半であることがわかります。
つまり会社側が手順を示していないため、気が利く人とそうでない人の差が処理時間の差となって表れているだけなのです。
そこで標準作業の設定の次に標準時間の設定が必要となるのです。手順があればそれぞれの手順ごとに時間値を定めていきます。
フォークリフトに乗車する動作で何分、30m走行で何分、部品を指定場所に投入で何分、といったように各プロセス単位に時間を定めるのです。
そしてその時間値を合計すると「フォークリフト供給」という作業の時間値になります。これが会社のルールとなります。
つまりそれぞれの作業者はフォークリフト供給をその時間で行う必要があるわけです。もし作業者で時間値に差が出たとしたら、標準作業の手順が守られているかチェックすべきでしょう。
もしルール違反(標準作業以外の作業)を行っていたとしたら、それは指導して是正させる必要があります。
もちろん、標準作業は常に不変であるわけではありません。現場改善を行うことでより良い標準作業に改定していく必要があります。
次回に続きます。
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