物流改善を進める前に会社の物流方針を明確にしておく必要があります。この方針がしっかりとしていないと今後の仕事の仕方にぶれが出てきます。
せっかくいまよかれと思ってやっていることが、上司が変わったとたんにそれが否定されることも少なくありません。
ですから、まず会社のメンバーでいろいろとディスカッションしてみてはいかがでしょうか。
筆者は製造会社にいましたので、物流のやり方はころころと変化した記憶があります。物流方針が明確でなかったからです。
まず物流の効率化に力点を置いた活動を行ないました。サプライヤーから納入された部品を製造工程に直接払い出すことで、物流上の停滞を無くし物流の効率化を行いました。サプライヤーから納入された荷姿のままで。
当時は製造工程も理解があり、このような「低サービスレベル」の物流を許してくれた感がありました。しかしあるところで外部コンサルタントが入り、そのような物流のあり方を否定されました。
なぜならそのような物流を行うことで、製造ラインサイドに多くの部品が並び、製造作業者の判断行為や歩行などを招いていたからです。
コンサルタントから言われたことをじっくりと考え、その前提で製造工程を見ていると、確かに物流が要因となるムダがたくさん見つかったのです。
そこから物流は大きく方針転換しました。とにかく徹底的に製造工程を支える物流サービスを実行しようと。
このようなきっかけがありましたから、物流方針は非常に明確になったわけです。その方針の例を挙げると以下のようになります。
・製造作業者には部品以外を触らせない
・製造作業者には部品を選ばせない
・製造作業者には部品を取るときに歩かせない
このような物流方針を掲げて大幅な物流改善を実行したのです。その効果は大きいものがありました。つまり、製造工程の生産性が大幅に向上するとともに、誤組付けなどの品質不良が大きく減ったのです。
ですから皆さんの会社でも物流をどのような方向に向かせていくのかについて、じっくりと検討してみるとよいと思います。
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