目の前のトラックの荷台を見て隙間があるからもっと積み込め、こういうことを上司から言われたことがある人もいることでしょう。
たしかにトラックは荷台をいっぱいにし、その保有する能力を目いっぱい活用することで物流効率化に寄与します。この考え方が間違ってるわけではありません。
しかしもし多頻度輸送を行うことでその後工程が効率化できるのであれば、必ずしもトラックの荷台をいっぱいにすることが正しい方策であるとはいえないでしょう。
もちろん、他の荷物があってそれが今必要なものであるならばそれらの荷物も混載すればよいのです。しかし後工程を犠牲にする物流はよくありません。
むしろ物流でコストをかけてでも効率化を図らなければならない工程もあるはずです。このあたりの優先度を考える必要があります。
もし優先すべき工程がその会社の本業であるならば、ほぼ解は見えています。そうです。物流でロスがあったとしても原則として後工程を優先します。
後工程を効率化するためにお金をかけていると考えればよいでしょう。
物流改善として優先されるべき項目は「在庫削減」です。これを阻害するような要因は避けなければなりません。
海上輸送も物流自体を優先させるべき項目だと考えられます。つまり海外からモノを調達するのであれば、コンテナ単位で調達することになります。
では普段継続的に調達している部品について、箱単位に購入するのか、端数購入も認めるのか、これはどのように考えたらよいでしょう。
たとえば箱の入り数(SNP)が12個だったとしましょう。ユーザーは12個の倍数で購入することが一般的かもしれません。
でも生産計画が20台であるならば24個ではなく、20個ちょうどを買いたいと思うかもしれません。このようなケースです。
もし翌日にも生産する予定があるのであれば24個の調達でもよいかもしれません。しかし次回の生産が翌月になってしまうのであれば、12個入りの箱と8個入りの端数の箱での購入も致し方ないかもしれません。
このように物流を効率化するためには他とのバランスを考える必要がありそうです。あくまでも物流とは第一義的には他部署をサポートする機能です。
物流自体の効率化を前面に出して他へ悪影響を与えることは慎まなければなりません。
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