前回ご説明したような事象は起こりうる話です。物流をコストとしてとらえるあまり早くそれを縮めたいと考えた結果、他へ悪影響を及ぼすことを行ってしまったのですね。
私たちがどうしても考えておかなければならないことは「物流はサービス業」だということです。単なるコストではありません。
物流という業務を通して、物流サービスを受けることでよりよく仕事ができることがあるのです。工場内物流では物流は生産工程をサポートするサービス部隊です。
物流というコストをかけてでも部品を小出ししたり順番通り並べて供給したりすることで、生産工程の効率は格段に向上します。
物流でコストがかかったとしても、工場では圧倒的に生産工程の人員の方が多いわけですから大抵の場合十分にペイします。
物流を細らせてはなりません。少なくとも生産工程への供給が十分なレベルに達していないとするならば。
この供給サービスをきっちりと実施してから物流自体の効率化に取り組むことは問題ありません。低品質、低サービスのまま効率化に取り組むことは工場にとって害である行為といわざるを得ません。
トラック輸送でも考え方は同様です。物流の原理原則ではトラックを満載にして運ぶことで効率化に寄与します。
では「今不要のモノ」まで運ぶことはどうでしょうか。来週の分まで混載すればトラックが満載になる、だからこのようなまとめ輸送を実行しようと考えたとしたら、ちょっと待ってくださいということになります。
受け側はその行為でどのような影響を受けるでしょうか。在庫の山ができ、保管場所を探して右往左往し、「今必要なモノ」を探す行為が発生し、多くの工数を要することになるでしょう。
これも物流だけしか見ない改善というより改悪行為です。物流のプロであれば、同じものを混載するのではなく、「今必要な」他の部品等を探して混載することでしょう。
単に簡単だからと先のような混載(先行輸送)を行うことは決して褒められたものではありません。やり方が稚拙です。
もっと考え、努力し、人に迷惑をかけずに物流効率化は実施しなければなりません。
次回に続きます。
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