物流技術標準を設定しておけば新たな拠点を設置する際に大変役立ちます。たとえばどれくらいの規模の土地と建屋にするのかこの基準から推し量ることができます。
賃貸倉庫の場合は技術標準と見比べることで、自社の仕事をこなすのに十分か否かがわかります。
逆にこの標準がなければ借りた倉庫が適切な仕様なのかオーバースペックなのか、はたまた不足しているのかがわからないのではないでしょうか。
概して安全のためにオーバースペックの倉庫を借りがちで、その場合には高い賃料を払わされることにつながります。
これは倉庫に限らず、物流機器や梱包資材などについても同様のことが言えそうです。またその場その場で判断が分かれてしまうこともあり得るのです。購入担当者の思い付きでその都度買うものが変わってしまっては会社に良くないことは明らかでしょう。
物流技術標準には物流倉庫の設計手順や物流レイアウトの作成手順などのマニュアルも含まれます。技術の標準に従い、倉庫を設計していくわけですが、ものの置き方の基準に従ってエリア計算を行い、照度基準に従って照明の数を決めて、・・・といったように手順を定めていくことになるわけです。
物流作業標準には標準作業書の他に作業要件一覧表と管理項目一覧表の2つの文書があります。前者ではその職場でのすべての作業について、物流品質基準や必要となる知識、必要となる技能、使用する機器などを定めていきます。さらにその作業を習熟するために必要となる期間も定め、作業習熟時に活用します。
後者は物流現場監督者が作業観察を行う際のチェックポイントを定めます。たとえばフォークリフト作業で基本動作に基づいて作業を行っているか、トラック積み込み時に荷崩れが発生しないように考慮しているか、といった作業のポイントを定めます。
これらについてどれくらいの頻度でチェックするかについても定めることで、物流現場監督者の作業観察のスケジュール立案にも役立てるのです。
次回に続きます。
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