構内物流のデータといったら標準時間でしょう。これがなければ必要人員の算出ができません。構内物流の作業ペースをつくることもできないし、労働生産性を測定することもできません。
つまり標準時間が無ければ「場当たり的」かつ「勘に頼った」構内物流運営しかできないのです。ですから標準時間はぜひ整備していきたいものです。
この標準時間は自分たちの業務運営に必要となるだけではありません。もしあなたの会社が物流事業者であるならば、顧客に対する「売価」を定める基になります。
したがって業者にとってみても極めて重要なデータであるといえると思います。
物流は標準時間が設定しづらいという人がいますが、そんなことはありません。物流作業を標準化できればそれに時間値を付けて行くだけです。
物流作業自体が標準化できないという人もまれに見かけます。しかしこれは全くの誤解なので、ここでは触れないことにしておきましょう。
物流標準時間が設定できれば、その時間値に対して実作業の結果はどうだったのかを比較することができます。そしてその差が出た要因を追求することにつながります。
時間値が無ければこのような動きにはならないはずなので、たぶん今の状態を是認していくことになると思われます。仮に今の作業が極めて生産性が低くてもそれに気づかないまま、ということになります。
つまり問題を認識できず、今以上に発展していくことは望みがたいことになるわけです。
毎月標準時間と実績時間の対比グラフを作成し、それを作業現場に掲示していきましょう。これを目にすることで、それぞれの方に時間遵守の意識が芽生えます。
さらにギャップを縮めようというアクションにつながります。構内物流を改善していくためには最良のデータツールだといえそうです。
さて今までいくつかの物流データについてご紹介してきました。もちろん、これですべてではありません。大事なことはすべて数字にして示すことです。これらにこだわることなく、会社として必要なデータはしっかりと管理していきましょう。
かつて物流は「カンコツ度胸」のKKDで仕事をするといわれてきました。今や意識してこのようなことを行っているとは思いませんが、知識がないために結果的にそうなっている可能性は否定できません。
何事も数字で示すとともに、重要データについては毎月きちんと管理していく習慣をつけたいものです。
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