物流を効率化するためには荷物を集めるという原則があります。物量が集まれば一単位当たりのコストは下がります。
そこでものを発送するときにはできるだけまとめた方がコスト的に有利になるのです。同一方面に同じタイミングで送る場合は荷物を合わせて出すことが基本だと考えましょう。
こういった原則があるにもかかわらず、ばらばらに物流を行っているケースが多いのです。というか、まとめるべき荷物があることに気づかないことが多いと言った方が良いかもしれません。
その例として次のようなケースが考えられます。
同じ会社の営業一部と営業二部があったとします。営業一部では日用雑貨を取り扱っています。営業二部では食品を扱っています。
各部ではそれぞれ倉庫内でピッキングを行い、出荷しています。同じ倉庫ですが、一部は一階、二部は二階と三階で保管とピッキングを行っているのです。
それぞれの部ではできるだけトラックがいっぱいになるように工夫はしていますが、平均積載率は65%程度となっています。
ここでこの会社では非常に重要な点を見落としているのです。それは日用雑貨も食品も「同じ届け先」があるという事実です。
得意先からは日用雑貨と食品とで別々のオーダーが入ってきていますが、納品先は同じ店舗なのです。しかしそれぞれの部ではこの点に気づくことなく、それぞれ別々に配車をしています。
情報が分断されていることでこのような現象が発生しているのですが、もし一部と二部とでもっとコミュニケーションが取れていれば最初から混載で届けていたことでしょう。
実はこのような事例が山ほどあるのです。ただ単に気づいていないだけで、物流ロスを発生させてしまっているのですね。
次回に続きます。
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