物流では顧客の荷物を預かる行為、それを運ぶ行為がメインになってくると思います。そうなると他人からの預かりものに対しては十分に注意して取り扱うことが求められます。
物流の過程で顧客の荷物を損傷してしまった場合には賠償責任が生じます。この損害賠償の範囲をどこまでにするのかは契約で決まります。
この場合物流受託者側の責任で荷物を損傷したケースにおいて賠償を行うという文言になると思われます。
では交通事故で道路が大渋滞し延着が発生した場合にはどうなるでしょうか。常識的に考えれば不可避的事項として免責としたいところです。
しかしこういったケースを想定し契約で決めておかないと事業者責任を求められることにもなりかねません。
冬場の大雪で道路状況が極めて悪い時に「何としても着けろ」という指示が荷主から出ていたという話を聞きました。
これは一種の天災にあたる可能性がありますが、やはり契約書に何かしらの文言で記しておく必要がありそうです。
こういった延着の事由はある程度想定されますので、それを契約書に入れておくことは難しいことではありません。
顧客の荷物の損傷ですがよく「段ボールのへこみ」について話題になることがあります。段ボールを積み重ねた際に下の方の箱にへこみが出てしまうことがあります。
この「へこみ」が荷物の引き渡し前なのか後なのかによって責任分担が全く変わってきます。物流事業者は積み込みに行った際に荷物に損傷がないか確認しておく必要があります。
仮に積み込み前に損傷があったとしてもそれに気づかずに引き取ってしまうと、後でその損傷が見つかっても物流事業者の責任になることが考えられます。
高価な商品を保管したり運んだりする際に何かあった時の損害賠償は多額となる可能性がありますので注意が必要です。
いかがでしょうか。契約の重要性はご理解いただけたものと思います。繰り返しになるかもしれませんが契約書に書かれていない事象が生じた場合にはもめることが考えられます。
想定される事象はできるだけリストアップして一つひとつ契約書に織り込みましょう。日本はあまり契約というものに慣れていない傾向にありますが、それは望ましい姿ではありません。
お互い真剣にビジネスを行うのであればできるだけ曖昧な要素は避け、お互いの約束事についてしっかりと合意しておきましょう。
■ 新着物流セミナー情報
□ 東京で輸送改善のセミナーを実施します!
「物流コストの約60%を占める輸送費大幅削減の実践」
2021年4月13日(火)10:00~17:00
詳細は以下からお願いいたします。
https://www.j-ie.com/seminar/koukai_kouza/CP52/
□ 大阪で物流の見える化・標準化のセミナーを実施します!
「物流コストの見える化・物流作業の標準化」
2021年4月21日(水) 午前9時45分 ~ 午後4時45分
詳細は以下からお願いいたします。
https://www.opmia.or.jp/seminar/7810
■ 日刊工業新聞社の工場管理に連載しています!
「品質向上につなげる 構内物流標準化マニュアル」
~3月号:供給作業の標準化(1) 生産工程へのサービス向上~
https://pub.nikkan.co.jp/magazine_series/detail/0007
■ 工場管理 臨時増刊号
「アフターコロナ時代のモノづくり新戦略 工場デジタル化大全」
に掲載されました!
https://corp.nikkan.co.jp/topics/view/994
■ 物流塾のホームページにコラムを寄稿しました!
「物流管理監督者の仕事を見直せ(上) ~マネジメント型管理監督者が会社を救う~」
以下からご覧ください。
https://butsuryuujuku.net/colum/771/
■ 日本カイゼンプロジェクトのホームページに2本目の動画が掲載されました!
「工場内物流の改革」
以下からご覧ください。
https://www.kaizenproject.jp/
■『3つの役割を果たす!構内物流改善の進め方』
カイゼンベース株式会社とKein物流改善研究所との協働制作講座が完成しました!
物流のE-learningは珍しいかもしれません。一部無料で見られますので皆さんもアクセスしてみて下さいね。
https://www.kaizen-base.com/contents/logi-42826/
物流改革で「収益力向上!」「品質力向上!」「人財力向上!」 Kein物流改善研究所
http://www.keinlogi.jp/