お金をかけてポカヨケを導入する前にやるべきことがあります。物流品質を保証するためには避けられないものがあるのです。
それは「作業の標準化」です。当たり前すぎて拍子抜けしたかもしれませんが、ここが結構できていない会社は意外と多いのです。
標準作業書の無い物流現場は作業の方法や時間を作業者任せにしています。これは絶対にやってはならないことです。
もしこのような状態にあるということは、「物流品質」も作業者に任せているということです。これもまた会社にとっては現場が管理状態にないと言わざるをえないでしょう。
そこでまず物流作業すべてに対して標準作業書を作成していただきたいと思います。標準作業書の中にはその作業の手順、急所、必要な道具や保護具などを記載します。
そしてすべての作業者に対して標準作業を教え込み、標準作業書に書かれているとおりに仕事をやらせることです。
さらに定期的に作業観察を行い、作業者が標準作業を守っていることを確認することが重要です。もし手順を違えていたり急所を無視していたりしたらその場で指導を行い修正させます。
これが物流現場監督者の仕事です。標準作業を確立しそれを部下に教える。その通りにやっていることか否か作業観察を通して確認する。そしてもし間違っていたらその場で指導する。
これが現場管理におけるPDCAだということになります。このサイクルを逸脱しないように心がけましょう。
よく標準作業が確立されていないのに物流品質不良を出して困っている会社を見かけます。しかしこの場合は出るべくして出た不良だと認識すべきです。
つまり標準作業をベースとしたPDCAは物流品質向上のために最低限やるべき事項です。これができていない会社では物流品質向上という言葉を発する資格はありません。
物流品質不良を発生させる会社にはこのPDCAのいずれかが欠けているケースが見受けられます。たとえば作業観察を実施していない場合があります。
作業観察は物流監督者の給料の内ですが、なぜか実施しないケースがあり気になって仕方ありません。でも作業観察が無ければ仮に作業者が間違った行為や自分勝手な仕事の仕方を行っていてもそれに気づくことはありません。
管理者や経営者の方は監督者がきちんとタスクを果たしているかどうかを確認する責務があります。
次回に続きます。
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