営業担当者が安易に実力以上のサービスを顧客に提示してしまうと現場は大変なことになります。まったく利益の出ない顧客を抱えてしまうからです。
同じ入出庫業務と配送業務を請け負ったとしても、ある得意先は数パーセントの利益が出るのに別の得意先は赤字ということがよくあるのです。
その要因の一つとして配送回数が挙げられます。黒字の得意先では一日一回の配送の契約でした。一方で赤字の取引先では一日四回の配送を行う契約を結んでいたのです。
営業担当者は仕事を取りたいために実力以上のサービスを相手に提示してしまったことによります。営業担当は十分に会社の収益構造を理解して仕事を取りにいかなければならないですね。
こういったことを避けるためには取引による収益に関してある程度営業担当者の評価につなげることが挙げられます。
これは在庫を必要以上に持ってしまう調達担当者を在庫量で評価することに似ています。調達担当者は安く調達するために必要以上のロットで発注してしまうことがあるのです。
物流は他の部門の結果が表れる特性を持っています。そこで物流に他部署が悪影響を与えないように牽制していくしくみが必要になるのです。
得意先別に収支を管理するとともに物流に影響を与える部門の評価も同時に行っていくことが望まれます。
物流現場サイドとしましても自ら効率化を図り、コスト低減を行っていかなければなりません。このコスト削減は現場の責務とも言えます。
毎年一定のコスト低減率を現場のタスクとして課すことが必要です。これを行っていない会社はぜひ実施していきましょう。
目標を設定されなければ物流現場の動機づけにはつながりません。物流現場には一定の利益目標を与え、その達成方策の一つとしてコスト低減を実施していくのです。
いかがでしょうか。物流会社は収益率が低いとみられがちですが、それは会社の取り組み方次第であると認識すべきです。
やるべきこと、やってはいけないことを明確にし、それを愚直に実行していく。これこそが会社収益を押し上げていく方策だと考えるべきでしょう。
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