物流現場の労務費改善を進めるためには、物流作業者各人が稼働時間内でいかに「本業のみに時間を使っているか」にかかっていると思います。
本業以外の時間にはどのようなものがあるか見ていきましょう。
・ ミーティング時間:これは始業時の朝礼や終業時のミーティングです。合計で15分くらいでしょうか。
・ 休憩時間:昼休み以外に労働時間の間に入れる休憩時間です。これは一日二回で合計20分くらいでしょう。
この二つで35分ですから、一日八時間労働としてその約7%を占めます。7%だけ物流作業ができないということになります。
これらはあらかじめ決められた時間と言えますが、それ以外にも日々仕事ができていない時間があります。
・ 作業編成ロス:今の仕事と次の仕事の間にできる「空き時間」のことです。やる仕事が無いために時間が空いてしまうものもこの中に含まれます。
・ 材料切れなどによる手待ち:梱包するときに製品が無い、ピッキングするときに製品が無いなど、仕事をやろうとしているのに仕事の対象物が無いために手待ちが発生する場合があります。
以上のような時間は付加価値を全く生み出さないロスタイムだと考えられます。このような時間が一日の内どれくらいありますでしょうか。
このロスタイムだけをつぶすだけでも数%の生産性向上が可能であると考えられます。まずは稼働分析などを実施し実態を把握することから始めるべきではないでしょうか。
ミーティングは情報伝達、情報共有化のためには必要なものですが、あまり時間をかけると生産性低下につながります。現場に管理ボードを掲げ、誰でも見られるようにすることでミーティング時間を短縮する方法も考えられます。
次に考えなければならないのが作業スピードです。自動車工場の組立ラインはコンベアスピードが仕事のスピードになりますので、そのラインに従事している人は皆同じ速度で仕事をしていくことになります。
では物流現場ではどのようにスピードコントロールをしていったら良いでしょうか。これにつきましては次回お話させていただきたいと思います。
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