前々回のシリーズで「原価低減の取組」のお話をさせていただきました。物流費を構成する様々な原価を低減することで利益向上に貢献していこうという取組です。
その物流費の中でも最も大きな比率を占めているのが労務費であると思われます。物流業もある意味で労働集約型産業ですから人手による仕事が多く、そこに改善の目を向けるべきだと考えられるのです。
もしかしたら人が多くかかっている倉庫などは労務費改善に取りかかっているかもしれません。今の作業の動作をいかに小さくしていくか、常にこのような考え方で実行していれば結構いい線行っているかもしれません。
しかしまだまだ多くの物流現場では作業を作業者任せにしているケースが多く、仕事の速度もゆったりとした感じがします。
これについて改善する、つまり「仕事のペースを明確に標準化」し、「きっちりとした作業編成」を組んで手待ち時間を無くし、「標準通りの仕事」をさせることによって大幅な労務費改善が可能であると考えられるのです。
その「大幅な」とはどれくらいでしょうか?今まで標準化に取り組むことなく作業のペースを作業者任せにしている現場であれば半減も不可能ではありません。
皆さんは自動車工場の組立ラインをご覧になったことはあるでしょうか。生産ラインはコンベアで動いていますので、仕事の対象はどんどん動いて行ってしまいます。
従って決められた仕事を標準作業通りにこなしていかないと、組立作業自体ができなくなってしまうのです。
もちろん、作業中にトイレなどには行けませんから体調管理もしっかりと行っておかなければなりません。
物流会社の人が自動車組立ラインを見ると目を丸くして驚かれ、「この作業を一日続けるのですか?」と質問されます。
これに対する答えは「いいえ」ということになります。一日どころか勤務している期間はずっとそのスピードで仕事をしているわけですから。
自動車組立ラインの場合にはコンベアが作業のペースメーカーになっています。物流でもこれと同じようなペースメーカーをつくることで労働生産性は高まり、労務費改善へとつながるのです。
次回に続きます。
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