標準時間は自分の会社で決めればよいのです。ただし、自社の基準が甘すぎると他社には勝てないという事実があります。
しかし物流では大方の会社が標準時間を導入していませんので、今すぐに他社との基準の差について心配することは無いかもしれません。
大切なことは、自社の物流現場にルールを定め、それをきっちりと守らせることにあります。それが作業計画であり、標準作業であり、標準時間なのです。
標準時間にはいくつかの目的があります。まずは適正な作業工数を算出することです。仕事量に見合って投入工数は変動させなければなりません。
仕事量が100でも500でも同じ工数ということは、常に過剰人員を抱えていることを意味します。仕事量が減れば投入工数を減らす、増えたら投入工数を増やすようにコントロールが必要です。
もう一つの目的は作業ペースをコントロールすることです。標準時間があれば、今の仕事を何時間何分で完結させなければならないかを判断することができます。
この場合の標準時間ですが、最も簡単なやり方は「今行っている作業のかかる時間と処理できる量を使う」方法です。
たとえば1人が1時間に120処理できるのであれば、その時の標準時間は『60分÷120』で1処理量あたり0.5分ということになります。
つまり作業に要した時間を把握できていれば、その時間を処理量で除することで標準時間を作成することができるわけです。
これ以外に作業をストップウオッチで測定する方法や、動作原単位を使って設定する方法がありますが、まずは先ほどの実績に基づく時間値でよいのではないでしょうか。
これをすべての作業で設定し、物流作業計画を作ります。そして物流監督者は自部署の部下に対してその時間内で作業を終わらせるように指示しなければなりません。
いかがでしょうか。仕事に時間の概念が必要であることは当たり前のことです。それを理論的かつ細かいメッシュで行っていくことで労働生産性は向上します。
皆さんもきちんと物流作業計画を策定し、上手にマネジメントされることをお勧めしたいと思います。
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