物流事業者に関わらず、物流に明るい人を育てなければならないことに多くの会社が気づき始めました。その要因となったのが物流コスト上昇のリスクです。
物流の担い手が少なくなり、物流オペレーションを実行していく人が少なくなれば経済原則で人件費が上昇します。
物流事業者の立場で考えると、社内のコストがアップするということになります。このコスト上昇分の扱いをどうするか。
顧客に転嫁するのか、コスト改善で吸収するのか、そこはじっくりと考えなければなりません。もちろんこのいずれかの方策をとるにしても、そのスキルを持った人財の育成は急務です。
さて物流人財にはどのようなスキルを要求したらよいでしょうか。細かい話をすれば梱包固有のスキルとか、フォークリフトでの荷扱いのスキルということになります。
しかし最初はもう少し大きな視点で考える必要がありそうです。まずサプライチェーンマネジメントという観点から考えていきましょう。
物流ではものが入って出ていきます。このプロセスマネジメントを行っていく手法がサプライチェーンマネジメントです。
ですから、まずものが入ってくるところのスキル、調達スキルが必要になります。そしてものが入って来てから社内で行う管理として生産管理スキルが必要です。
生産管理スキルの中には生産指示や在庫管理、工数管理や生産性管理などの作業管理、物流エリア算出やレイアウト設計、荷姿設計などの物流技術といった諸スキルが含まれます。
さらに自社から顧客に届けるまでの出荷管理スキルが必要になります。この出荷管理にはリードタイムマネジメントや製品在庫管理、配車効率や輸送マネジメントなどの諸スキルが含まれることになります。
この全体像を把握したうえで物流人財育成の方法を考えていかなければなりません。
おそらく多くの会社が物流を「点」で見ている可能性があります。小さな視点でしかものを見ていない可能性があるため、視野を広げることが求められます。
では上流から見ていきましょう。最初に調達スキルです。小売業では卸売業からものを購入します。卸売業ではメーカーからものを購入します。そしてメーカー間では部品などの購入が発生しています。
この調達ですがざっくりというと二つの行為があります。一つ目がソーシングです。これは調達先と調達価格などの条件決めを行う行為をいいます。
もう一つがパーチェシングです。これは日々のものの発注行為です。ソーシングは調達専門部署が行うと思われますので、発注行為についてのスキルを考えていきましょう。
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