皆さんの会社が物流を本業としていないのだとしたら、物流業務は社内で実施するかアウトソースするかのどちらかになります。
物流業務の内、輸送業務はアウトソースに頼る部分が大きいと思われます。昔は自社でトラックを抱えて輸送していた会社や最近では物流子会社を持っている会社でも、物流専業者に仕事をアウトソースしたり物流子会社を売却したりしています。
これは物流を本業ととらえず、ノンコア業務だから外に出すのだ、という考え方が強いのだと推測されます。
日本は少子高齢化社会ですから徐々に働き手が少なくなることは必至です。ここで経済も縮小してってしまうようでは日本の未来はありません。
幸いにして通信販売の伸びによって物流も需要が膨らみました。一方で物流の担い手が増えないため、現時点では供給不足が課題になりつつあるのです。
一方で物流を発注する立場の会社とアウトソースの受け皿である物流事業者との関係は、まるで主従関係のように強弱が明確です。
この関係は健全な状態であるとはいえません。なぜこのような関係になってしまったのでしょうか。かつて物流は規制産業でした。つまり国に守られた産業だったわけです。
自分たちで努力しなくても仕事が入って来て利益が出ました。人を育てなくても何とかなる時代を過ごしてきたわけです。
この意識が抜けないまま規制緩和が行われ、結果的に他産業に比べて実力的に劣った産業になってしまいました。
自分たちだけで何とかなる、という状況ではなくなりつつあります。自分たちの身は自分たちで守る、それが当たり前の考え方かもしれません。
しかし主従関係のような状況はおいそれと改善できるものではありません。その是非はともかくとして、いよいよ国も見過ごせなくなってきたわけです。
国土交通省は2017年11月から「標準貨物自動車運送約款」を見直すことにしました。これは荷主会社にとっては契約書の書き方が変わるようなものです。
荷主会社もこの見直しについて、どのような内容なのかについては認識しておく必要があります。ということで、この点について確認しておきましょう。
次回に続きます。
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