物流の作業管理を現場だけに任せるのはいかがなものかと思います。物流標準作業の共通項目の指示や、その整備状況などをチェックする部署はあった方がよいかもしれません。
よく物流管理課といったスタッフ部署を設けている会社がありますが、それはそれでとてもよい考え方だと思います。
特にメーカーであれば、物流現場をしっかりと面倒見てくれる部署は必要でしょう。なぜなら多くの会社で物流現場にすべてお任せのため、仕事の質向上や、人財育成などが進みづらい環境にあるからです。
物流品質を担保するためにも物流管理部署を設け、そこが物流品質管理基準を設定し、現場に指示を出す形が望ましいかもしれません。
前回お話した、これだけは守って欲しいと思うアイテムはその部署が現場に通知し、物流現場サイドで標準作業書を設定してもらうとよいでしょう。
併せて物流管理部署では物流品質不良につながる要因を分析し、体系化した上で必要に応じて物流現場に標準作業の見直しの指示を出すことをお勧めします。
毎月物流不良発生率を集計し、現場と一緒になって要因別に分析して処方箋を考えていくのもこの部署のタスクです。もちろん、物流品質だけにとどまらず、安全やコスト、納期管理などもこの部署が統括します。
避けたいことは、各物流現場がまちまちな取り組みを行うことで、物流品質に悪影響を与えることです。不良を出さない部署と、繰り返し出す部署があるといった、社内のバラつきは無くしたいものです。
物流管理部署にはできれば物流現場経験者を充てることが望ましいと思います。たとえば物流現場で監督者を務めたことがある人にその任に就いてもらうことが理想です。
もう一つの役割があります。物流作業は物流部門だけが行うとは限りません。製造部門が自ら物流業務を行うこともあるはずです。
ですから、物流管理部門では部門横断的に「物流標準化推進」と「物流品質向上」の旗振り役をやっていくとよいと思います。
部署というより、物流という「機能」で物流作業の面倒を見ていくのがこの物流管理部署だと考えましょう。
そして必ずKPIで評価し、会社の中でその値を共有化していくように仕向けていきます。物流不良流出比率や、構内で見つかった物流不良の比率などを、部署別、物流作業別で把握していきます。
そして要因分析を物流現場と一緒に行い、再発を防ぐような活動も行っていく必要があります。大勢の人を投入しなくてもこのような活動は可能だと思います。
ぜひ会社の経営層にはこのような部署の設置について考えていただきたいものです。物流品質が向上し、物流不良流出に歯止めがかかれば安いものですから。
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