物流不良流出を防ぐために、会社としてこれだけは守って欲しいと思うアイテムはあると思います。会社の中には複数の物流部署があるかもしれませんが、それだけはすべての部署に共通に守ってもらうべきアイテムとしてあらかじめ挙げておくとよいかもしれません。
「3点照合」という言葉をお聞きになったことがある方もいらっしゃると思います。この3点照合とは、現品、サンプル、出荷ラベルの3点を指し、この3点を梱包前に必ず照合するというルールが3点照合です。
オーダーシートと出荷ラベルの照合はよく行われていますが、現品が正しいことを確認していないケースが見受けられます。
類似品の場合、見分けがつきづらく照合せずに梱包してしまうとあとは確認のしようがありません。ですから、特に梱包工程では現物がオーダー通りであることを何かしらのかたちで確認することが求められます。
指差呼称はいかがでしょうか。この指差呼称、エラー防止には大きな効果があるようです。よく電車の運転士が指差呼称を実施しているのを見かけますよね。
これも物流工程に導入すると効果的です。梱包作業でもものを箱に入れる時や数量をカウントするときなどの指差呼称を義務付けるとよいでしょう。
また、作業者の意識も物流不良流出を防ぐには大切です。ここで気をつけなければならないことは、作業者の集中度が途切れることと、同じ作業の繰り返しによるマンネリ化です。
これも物流品質には重要なことです。緊張度の高い仕事は長続きしません。適度な休憩を入れるとか、作業者を交代させるなどしてエラーの発生を防ぐ必要がありそうです。
マンネリ化も危険です。同じ作業を淡々とこなすだけでは人間どうしてもマンネリ化しがちです。ここも時々作業編成を変えてみて、別の仕事を入れるようにした方がよいかもしれません。
人間誰しも慣れはリスクです。慣れてくるとどうしても気が緩みます。そのような時にエラーは発生しやすいのです。
ですから、このような気の緩みやマンネリ化は当然発生するものとして物流現場の管理を実施する必要があるでしょう。
わざと間違った品物を容器に入れておいて、作業者に気づかせるような「意地悪チェック」もたまには必要かもしれません。
物流作業はそれほど複雑ではないため、つい仕事が単調になりがちです。しかも簡単な仕事だとそれをなめてかかる人もいます。
そこで、意地悪チェックなどをたまには実施しながら職場のルール順守を徹底していくとよいでしょう。物流の怖いところは標準作業と別のやり方をやったとしても、仕事ができてしまう点です。
物流作業の自由度の高さがそうさせているのですが、だからこそ、それによる物流不良は何としても防止しなければならないのです。
次回に続きます。
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