物流を生業としている事業者がその仕事を下請けに出すと下請法の規制を受けることになります。運送を行っている会社が運送を下請けに発注するイメージです。
下請法は皆さんなじみがあると思いますので詳説は避けますが、親会社に4つの義務と11の禁止事項を課しています。
特に公正取引委員会の勧告を受けることが多い事例は「下請代金の減額」です。いったん決めた取引金額を後日一方的に引き下げることを指します。
よくあるパターンとして荷主からのコストダウン要請を受けて、それと同率で一方的に取引金額を引き下げることがあります。
軽微なものとしては発注書面を交付しないで電話だけで発注をすることや、発注書面を交付はしたものの記載事項に不備があるようなことが挙げられます。
決められた期日に下請代金を支払わないことも時々あるようですから注意が必要です。
ビジネスを行う上でのルールが法令です。運送では私たちに身近な道路交通法があります。急いでいる場合のスピード違反もコンプライアンス違反ということになります。
小さい会社の社長がよく口にする言葉ですが、「法令なんかを守っていたら会社はつぶれる」というものがあります。
これは逆の視点から見るとルールを守れないプレーヤーが市場にいること自体が問題だといえるでしょう。
企業倒産の中に「コンプライアンス違反倒産」というものがあります。法令違反を行っていた会社に役所の監査が入り、それがきっかけとなって倒産に至るケースです。
この会社を可哀そうだと考えるのではなく、ルールを守れない者は市場から退場すべしと考えるべきではないでしょうか。
誰でも社会のルールを守って行動をしているわけです。人も法人も同じです。最低限の社会のルールを守ってビジネスは行っていきたいものです。
物流は下請法や道路交通法以外に数多くの法令が関わっています。念のために一度関連法令に触れてみてはいかがでしょうか。
もしかしたら思わぬ勘違いをしていることに気づくことがあるかもしれません。
■『3つの役割を果たす!構内物流改善の進め方』
株式会社グロースベースとKein物流改善研究所との協働制作講座が完成しました!
物流のE-learningは珍しいかもしれません。一部無料で見られますので皆さんもアクセスしてみて下さいね。
https://www.kaizen-base.com/contents/logi-42826/
■日刊工業新聞社 工場管理 10月号 好評連載中!
「工場全体を効率化できる 物流のトリセツ
『第13回 正しい物流アウトソースの進め方(中)』」
http://pub.nikkan.co.jp/magazine_series/detail/0007
物流改革で「収益力向上!」「品質力向上!」「人財力向上!」 Kein物流改善研究所
http://www.keinlogi.jp/