共同物流と言うアイテムは昔から言われ続けてきています。しかし実際にはうまくいった事例はそれほど多くないと聞いています。それはなぜでしょうか。
今実施している個別物流を共同化するためにはいくつかのハードルを乗り越える必要があります。そのハードルの代表例を挙げると次のようになります。
・意識の壁:これはあの会社と一緒に物流をやることはまかりならないという考え方です。
・物流サービスの壁:共同物流化することで単一の物流サービスとなり、自社の独自のサービスが顧客に提供できなくなるという課題です。
・物流情報システムの壁: 各社が別々のシステムを持っている場合、それを変更しなければならないという課題です。
・物流会社の壁:各社が契約している物流会社があったとしても、共同物流にあたっては他社に変更する必要があるという課題です。
・ゲインシェアの壁:共同物流化でコストが下がった時にそれを各社でどのように配分するか、という課題です。
・容器の壁:各社がまちまちの容器を使っている場合、トラック積載率向上のためには容器を統一する必要がありますが、どこの会社のタイプに統合するか、という課題です。
これらは代表的なハードルですが、この他にもいくつもの課題がありそれを調整しきれずに挫折してしまうというパターンが多いようです。
共同化にあたっては強力なリーダーシップが必要ですが、これを発揮できるリーダーがいないことも失敗の要因として挙げられます。
ということで共同化にあたってはまず組織体制をしっかりと構築するとともに、最初の段階で先に挙げた各課題についてルール決めをしておくべきでしょう。
一方で2社間程度であれば上記課題が無いわけではありませんが、比較的実行に困難は伴わないと考えられます。
お互い物流コストが低減される認識を持ち、何としてもその効果を得るのだという考えで進めていっていただきたいと思います。
再度申し上げますが、「本業では競争、物流では協調」です。ボリューム集約が物流コスト低減の切り札であることを認識し、ぜひ共同物流を実現し物流コスト改善に拍車をかけていただきたいと思います。
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