再三申し上げていることですが、物流はサプライチェーン全体の効率化のカギを握っています。これを単に物流を「点」としてだけ見ているのであれば、効率的なサプライチェーン運営は難しいと言わざるを得ません。
そうは言っても物流コストを下げる活動は重要であることに変わりはありません。物流の工程上にムダがあるのであればそれを極力排除していく取り組みが必要であることは言うまでもありません。
しかし注意すべき点は、物流アウトソースを実施することが物流のムダ排除に直接的につながるとは言い切れないことです。
経済産業省のアンケート結果にもありますが、アウトソースのメリットはなかったという回答が6.6%もあるのです。
なぜこのような結果になってしまったのでしょうか。アウトソースを失敗に終わらせないためには事前準備が必要であることを知っておきましょう。
言うまでもありませんが、どの業務を外部業者に委託したいのか、その業務の条件はどうなっているのかという物流情報についてアウトソースの際に相手に伝えなければならないのです。
意外とこれができていない会社が多いのです。皆さんも一度考えてみて下さい。仕事を受託する側に立って今伝えている情報が十分かどうかを考えてみるのです。
物流業務を外注化する場合、やってはいけないこと、それは「相手はプロだから詳しく説明しなくても大丈夫だろう」と勝手に解釈することです。
社内に物流に詳しい人がいないからアウトソースする、という会社も少なくありません。しかしだからといってアウトソースすれば物流業務がうまくいくとは限りません。
むしろ曖昧なまま発注し、お金をムダにしてしまったというようなことになりかねないのです。ではどうしたら良いでしょうか。
今の物流業務をしっかりと整理することから始めましょう。それを基にアウトソース先に提示する仕様書を作成するのです。
このプロセス抜きにアウトソースすることは危険です。また、物流会社に現場を見せるだけで発注することも避けた方が良いでしょう。
繰り返しになりますが、相手に十分な情報を伝えることなしにアウトソースが成功する保証はありません。
次回に続きます。
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