過去の実績で段ボール箱の平均処理工数が算出されました。これは段ボール箱のハンドリングに関わったすべての作業者の平均値ということになります。
この値を使えば段ボール箱の処理作業に関する生産性を測定することが可能になります。一つの見方として平均値に比べて何パーセント短縮されたかによって生産性が向上したかどうかがわかります。
もし生産性向上を進めていくのであれば、この平均値に対する改善率を目標値として定めると良いでしょう。
平均値が一箱60秒であれば、これを1割向上するという目標にした時には目標値は「54秒」だということになります。
このように生産性向上を図っていくことは企業存続の上で欠かせない活動になります。先に挙げた平均値の改善は自社の中だけを見た活動であるため、今一つ弱いところがあります。
なぜならもしかしたら他社は「50秒」で処理している可能性があるからです。この時点で今から1割改善するだけでは他社には勝てないということがわかります。
ということで、その職場で最も処理速度の速い人のデータを把握してみます。その人が仮に「48秒」でできていたとするとその値は他社を上回っています。
その時点で「48秒」は競争力のある値だとわかります。そうなったら今度は自社の作業者が皆最速の人の仕事の仕方を学び、全員が「48秒」でできるように訓練します。そしてそれを達成できれば他社に打ち勝つことができるのです。
なかなか他社のデータを入手することは容易ではありません。そこでもっと効果的な手法を考えていきます。それが「あるべき姿」の工数を定め、その値を目標として活動していくことです。
「あるべき姿」ですから、手待ちや迷いなどの要素を一切含まないベスト値ということになります。そしてそのベスト値とのギャップを把握し、そのギャップをできるだけ小さくなるように改善や訓練を行っていくのです。
たとえばあるべき姿に基づくベスト値を「38秒」だとしましょう。平均値が「60秒」の場合、そのギャップは「60秒」÷「38秒」で1.54倍ということになります。
常に物流はメジャーを持ち、その値と実態とのギャップを改善余地として認識しておくことが重要なのです。
次回に続きます。
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