自由市場の下では価格は需要と供給で決まり、妥当なところで落ち着きます。これが適正価格でしょう。もし思っているよりも低いのであれば、それは供給過剰のせいかもしれません。
ただし会社によっては安くても受注しなければならないという状況があるかもしれません。このような状況下では給与を削り、社会保険に加入せず、残業代を支払わずといったコンプライアンス違反が横行します。
これは適正価格云々というより、ビジネス自体が成立していないと考えるべきではないかと思います。だからといってお客様がもっと高く買ってくれるかというとそれは無いと言わざるを得ません。
物流事業者が「適正価格」という言葉の中に「契約外の想定外の事象」が含まれていると考えるべきでしょう。
その典型的なものが「待ち時間」です。積み込みに行ったら2時間待たされ、荷降ろしに行ったらそこでもまた2時間待たされた、なんていう話が多々あります。
この「待ち時間」に対する対価は設定されていないのではないでしょうか。
想定外の事象として荷降ろしに行ったところ、倉庫内の棚に仕分けしながら入れさせられた、という話があります。
一般的に荷降ろし作業はトラックポートのそばに荷を置くことと解釈できます。棚に入れることは入庫作業と呼ばれます。
つまりこれらは事業者にとっては「想定外」であり、対価は設定していなかった、ということになるわけです。
これらの想定外の事象に対価を付けたとしたら、現状の対価の1.5倍になることもあり得る話で、そういう意味で「適正価格」ではないという理屈も考えられるのです。
これは事業者側から見れば「適正価格」ではありません。もしかしたら発注者は「想定内」の事象だったのかもしれません。
こういった理解の差を埋めるためには見積もり時の合意が大切です。「合意したことに対する価格」であればそれが適正価格だからです。
契約ごとは重要です。最初が肝心ですから事業者は抜かりなくやっていくことが求められる。
次回に続きます。
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