物流業界は波動が大きい業界といわれています。お中元やお歳暮が波動をもたらす典型的な要因です。海上輸送ではクリスマスシーズンが始まる前のアジアから北米への輸送が典型的でしょう。
物流業ではこの波動に対応するためのインフラを抱えています。一時的に膨らむ物量に対応できる倉庫、大量な貨物を輸送するためのトラック、そしてそれらのオペレーションのために必要な人員です。
当然これらのインフラはコストとして価格に反映されていきます。そうでなければ物流会社はどこもやっていけないからです。
一方で常にピークを意識してインフラを抱えていれば、閑散期にはそのインフラが遊んでしまうことになります。せっかく保有している能力を発揮できないことになるのです。
これほどもったいない話はありません。これらの閑散期を埋める仕事を見つけてはじめて儲かる物流が実現できるといえるでしょう。
こういったお中元、お歳暮などによる仕事のピークについてはある意味外的要因となりますので、それは所与条件と考えられます。
一方で、自ら作り出している波動もあると思います。そして自分で作った繁閑差に苦しんでいる事例があります。
その一つにトラックに積み込む前の出荷準備作業があります。この準備作業を特定の時間に集中的に実施することでいろいろなロスを生じさせているのです。
ロスの第一に人員の作業の繁閑差があります。出荷準備が集中的に行われるためにその時間帯はめっぽう忙しいのですが、それ以外の時間帯になるとやることが無くなってしまうのです。
社員を仕事がないからといって帰したり給料を払わなかったりするわけにはいきません。そこでその分だけ会社がロスを被ることになるのです。
次回に続きます。
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