物流コストはいわゆる「結果系の指標」です。ですからこの指標はできるだけ正確に把握しましょう。間違ってもカウントすべき費目を落としておきながら「自社の物流のレベルは高い」などと誤解などされませんように。
営業マンが営業車で得意先に納品した場合、この人件費とその他の経費は「物流コスト」です。生産工場の中で完成した製品を倉庫に保管する場合の人件費や倉庫自体、倉庫で必要な棚やフォークリフト、電力費やフォークリフトの燃料などもすべて「物流コスト」です。
すべての物流コストが抽出できたとしたら、会社の営業利益金額と比較してみましょう。これは一つの目安ではありますが、営業利益より大きければ営業利益の水準まで物流コストを下げることを考えてみてはいかがでしょうか。
物流コストが確定したところで次は「要因系指標」を調べていきます。たとえば販売先まで輸送するコストの要因を調べます。
一つは「トラック積載率」です。これはそのトラックの保有能力をどこまで活用しているかを確認するための指標です。
重量勝ちの製品であれば「実積載重量÷トラック積載可能重量」で求めます。容積勝ちの製品であれば「実積載容積÷積載可能容積」で求めます。これは原則です。
しかし本来であれば重量的にも容積的にも100%を目指したいものです。そこで重量積載率と容積積載率を両方算出し、それを指標として評価するのです。
重量勝ちの製品だけを出荷すると、重量積載率が95%でも、容積積載率は30%なんてことはざらにあるのです。
これに対する対策はバランスを取り、重量物を降ろして容積物を積むという、「鉄綿混載」を行うことがあります。
倉庫作業コストを考えてみましょう。要因系の指標として「作業生産性」が挙げられます。ピッキングや運搬などの個々の作業の基準時間に対して実際にかかった時間のギャップが生産性です。
これを把握し、極力基準時間に近づけることを考えなければなりません。
同様に、いろいろな物流コストの発生要因について指標化し、その値が改善するように対策を取っていくことです。
これらの指標を取っていくことで、自社はこんなに物流のムダがあったのか、と驚くことでしょう。これこそが物流の実力の把握なのです。
次回に続きます。
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