物流はよくできて当たり前ととらえられがちです。指定した時刻にものが届くのは「当たり前」、品物が間違っていないのは「当たり前」、商品に傷がついていないのは「当たり前」なのです。
これに対してこんなに苦労しているのだから「当たり前」と思われるのは心外だという意見があります。気持ちはわかりますが、そのような考え方では他社に勝つことも物流の地位向上にもつながらない気がします。
もっとプロらしい発言が欲しいところです。残念ながらそのような発言が物流の地位を落としているのかもしれません。
さて物流の地位向上についてですがオペレーションが約束通りにできるのは「当たり前」です。最低限の仕事であると考えなければなりません。
むしろ物流管理の領域について質を向上させていくことが必要なのではないでしょうか。物流がロジスティクスにさらにサプライチェーン・マネジメント(SCM)へと発展してきました。
世の中の期待値はSCMに近づいてきています。つまりこの水準の話ができなければ顧客の期待値に応えることができないのです。
物流はサプライチェーンの全体を俯瞰できる立場にあります。この立場を利用しない手は無いのです。世の中が求めているサプライチェーンの効率化に寄与することが物流の地位を向上する絶好のチャンスなのです。
物流管理を考えた時に例えば物流倉庫の仕事をしている立場の人は次のような発言をします。
「在庫のコントロールは荷主が行うことであって物流会社が口をさしはさむ余地はない」
この発言は従来の「物流業務」から見るとある意味正しいのかもしれません。
しかし物流の地位向上の観点からは望ましい発言ではありません。なぜならサプライチェーン効率化の観点からは「在庫コントロール」は極めて重要だからです。
物流や在庫は何かしらの活動の結果として現われるものなのです。つまり物流や在庫を改善するためにはその要因となる「元」を改善しなければならないのです。
これに気づかずに与えられた仕事だけをこなしているだけでは評価されません。それを繰り返していても現状が改善されないからです。
仕事は常に向上させていく必要がありますので「要因」について知るとともにそれに対処していくことが重要になってくるのです。
次回に続きます。
■ 新着物流セミナー情報
□ 東京で工場内物流改善のセミナーを実施します!
「工場内物流改善の基礎実務」
2021年3月26日(金)10:00~17:00
詳細は以下からお願いいたします。
https://www.tmainc.co.jp/seminar/view/415
□ 東京で輸送改善のセミナーを実施します!
「物流コストの約60%を占める輸送費大幅削減の実践」
2021年4月13日(火)10:00~17:00
詳細は以下からお願いいたします。
https://www.j-ie.com/seminar/koukai_kouza/CP52/
□ 大阪で物流の見える化・標準化のセミナーを実施します!
「物流コストの見える化・物流作業の標準化」
2021年4月21日(水) 午前9時45分 ~ 午後4時45分
詳細は以下からお願いいたします。
https://www.opmia.or.jp/seminar/7810
■ 日刊工業新聞社の工場管理に連載しています!
「品質向上につなげる 構内物流標準化マニュアル」
~3月号:供給作業の標準化(1) 生産工程へのサービス向上~
https://pub.nikkan.co.jp/magazine_series/detail/0007
■ 工場管理 臨時増刊号
「アフターコロナ時代のモノづくり新戦略 工場デジタル化大全」
に掲載されました!
https://corp.nikkan.co.jp/topics/view/994
■ 物流塾のホームページにコラムを寄稿しました!
「物流管理監督者の仕事を見直せ(上) ~マネジメント型管理監督者が会社を救う~」
以下からご覧ください。
https://butsuryuujuku.net/colum/771/
■ 日本カイゼンプロジェクトのホームページに2本目の動画が掲載されました!
「工場内物流の改革」
以下からご覧ください。
https://www.kaizenproject.jp/
■『3つの役割を果たす!構内物流改善の進め方』
カイゼンベース株式会社とKein物流改善研究所との協働制作講座が完成しました!
物流のE-learningは珍しいかもしれません。一部無料で見られますので皆さんもアクセスしてみて下さいね。
https://www.kaizen-base.com/contents/logi-42826/
物流改革で「収益力向上!」「品質力向上!」「人財力向上!」 Kein物流改善研究所
http://www.keinlogi.jp/