物流はよくできて当たり前ととらえられがちです。指定した時刻にものが届くのは「当たり前」、品物が間違っていないのは「当たり前」、商品に傷がついていないのは「当たり前」なのです。
これに対してこんなに苦労しているのだから「当たり前」と思われるのは心外だという意見があります。気持ちはわかりますが、そのような考え方では他社に勝つことも物流の地位向上にもつながらない気がします。
もっとプロらしい発言が欲しいところです。残念ながらそのような発言が物流の地位を落としているのかもしれません。
さて物流の地位向上についてですがオペレーションが約束通りにできるのは「当たり前」です。最低限の仕事であると考えなければなりません。
むしろ物流管理の領域について質を向上させていくことが必要なのではないでしょうか。物流がロジスティクスにさらにサプライチェーン・マネジメント(SCM)へと発展してきました。
世の中の期待値はSCMに近づいてきています。つまりこの水準の話ができなければ顧客の期待値に応えることができないのです。
物流はサプライチェーンの全体を俯瞰できる立場にあります。この立場を利用しない手は無いのです。世の中が求めているサプライチェーンの効率化に寄与することが物流の地位を向上する絶好のチャンスなのです。
物流管理を考えた時に例えば物流倉庫の仕事をしている立場の人は次のような発言をします。
「在庫のコントロールは荷主が行うことであって物流会社が口をさしはさむ余地はない」
この発言は従来の「物流業務」から見るとある意味正しいのかもしれません。
しかし物流の地位向上の観点からは望ましい発言ではありません。なぜならサプライチェーン効率化の観点からは「在庫コントロール」は極めて重要だからです。
物流や在庫は何かしらの活動の結果として現われるものなのです。つまり物流や在庫を改善するためにはその要因となる「元」を改善しなければならないのです。
これに気づかずに与えられた仕事だけをこなしているだけでは評価されません。それを繰り返していても現状が改善されないからです。
仕事は常に向上させていく必要がありますので「要因」について知るとともにそれに対処していくことが重要になってくるのです。
次回に続きます。
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「物流標準時間の導入とその活用法」
物流管理が不十分といった「物流マネジメントの問題」が浮き彫りになっています。製造現場で当たり前に使われている管理技術も物流現場では整備されていません。物流コストを明確に示せず「不十分な見積もり」が挙げられます。顧客に対してかかるコストを定量化できないために正確な見積もりができないのです。
また、作業手順や作業ペースを作業者任せにし、作業者が「仕事量に関わらず自分の持ち時間を目いっぱい使って作業を行う」といった現象も多く見受けられます。
もう物流マネジメントができないという時代ではありません。物流作業を定量化し、きっちりとした管理を行うことで会社収益に貢献していきましょう。
物流作業を定量化するために物流標準時間を導入し、活用することで会社収益向上に貢献しましょう!ぜひ、この機会のご参加をお待ちしております。
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