IEではよく話題になりますが「手待ち」のムダを削減することは重要です。輸送会社も荷主構内での待機時間に苦労しています。ではそれをどこまで定量化して荷主と話し合いを持っているか、となると心もとない会社がほとんどのようです。
これには二つの理由がありそうです。一つ目は荷主に改善要請をするなんて恐れ多いこと、と考えている。二つ目は待機時間のデータを取ろうという意識が無いこと。
いずれの理由にせよ、このままの状態では待機時間が短縮されることはあり得ないと思います。なぜなら荷主側に輸送会社の困り具合が伝わらないからです。
トラックドライバーに荷主のゲートインタイムとゲートアウトタイムを毎回記録させ、そのデータを持って荷主と話し合いをすればそれを全く無視できる会社は少ないのではないでしょうか。
ディズニーランドやスーパーのレジで人の待ち時間を短縮する工夫が実際に行われているそうです。待ち時間はロス以外の何物でもないからです。
まずはデータを把握する。そしてそれに対して改善のアクションを取る。これは会社としてやるべき当たり前のことではないでしょうか。
会社に悪影響を与える明らかなロスに対して、何もアクションを取らないことは無責任であると思いませんか。
物流作業ではそれを行う作業者によるばらつきが大きいケースが目につきます。品質のばらつき、所要時間のばらつき、やり方のばらつき、これらの存在も望ましいものではありません。
そもそも作業が標準化されていないためにこのようなばらつきが発生するのです。IEでは標準的な作業者が無理なくできる作業を標準作業として決めることを基本としています。
物流のすべての作業について標準化し、それに従って実施させるようにすることが大切です。多分これを行うだけでもムダな動作が無くなり、従来よりも生産性が向上すると考えられます。
以上のようにムダを定量化する、一定の手法を使ってみる、作業の標準化を行うなど、IEを活用することで効果が見える点が多々あります。
まず簡単なところからIEの真似事をしてみる、そして徐々にIE手法を学んでみる、こういった取り組みをしていくことをお勧めします。
きっと思いもよらないメリットを享受できるものと思います。
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