製造会社では百分の一分を縮める活動を愚直に行っています。そのためにほんのちょっとしたムダも改善していこうとします。
人の動きについてもビデオを撮ってムダな動作が無いかを確認するとともに最前の動きを研究しています。歩行は付加価値を生まないムダとしてそれを撲滅しようと懸命に努力を尽くします。
このようにムダな作業や動作を改善していく活動そのものを広義のIEとしてとらえることができると思います。
単にストップウオッチで時間測定することがIEではないのです。こういった考え方について物流業界にうまく伝わっていないために誤解を招いてしまうのだと思います。
ムダを徹底的に排除するためには「歩行経路分析」や「ワークサンプリング」、「連続稼働分析」などのIE手法が効果を発揮します。
当然のことながら物流現場でもそのままこれらの手法を活用することができるのです。事例を用いて分析手法の使い方などを教えていってあげる必要がありそうです。
IEはある意味「魔法の鏡」のような側面を持っている気がします。それを使って現場を映してみることでムダが次々に見えてくるからです。
だからこそ、これを使わない手はないのです。倉庫作業の効率を上げたければ、荷役作業の効率を上げたければ、ピッキング作業の効率を上げたければ真っ先にIE手法を使ってみるのです。
IEを使うことでムダを定量的に示すことも可能になります。これはインパクトがあります。「ピッキング時に歩行が多い」と言うよりも、「1ピースピッキングするのに6歩発生している」と言った方が聞いた側にはよりムダのイメージが伝わりやすいでしょう。
「倉庫の中でものを探し回る時間が多い」と言うよりも「1日の内20%がものを探す時間」と言う方がインパクトがあります。
「フォークリフトが何も持たずに移動する時間が多い」と言うよりも「フォークリフトの空走行率は30%」と言った方がしみじみときます。
こういったムダを定量化することもIE手法の一つなのです。いかがでしょうか。IEというものが魅力的に感じ始めていませんか。ぜひ物流ロスを定量化してみましょう。
次回にもう少しお話を続けさせていただきます。
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